菅野は1年目の13勝から、12、10、9…
大型補強でストーブリーグを盛り上げている巨人。FA戦線では山口俊、森福に続き、史上初の3選手目となる陽岱鋼(日本ハム)獲得にも本腰を入れている。
4日には、2013年の楽天日本一に貢献した前デトロイト・タイガースのマギー獲得を発表。投手整備のみなら野手陣にも長打を秘めるビッグネームを加える構想で、V奪還へなりふり構わぬ姿勢を見せている。
近年の巨人は打撃陣が振るわず、リーグ4連覇を逃した15年のチーム打率はリーグ最下位の.243。今季は阿部、村田らの復調もあり同.251へ改善されたが、得点数はリーグ4位の519得点で、優勝した広島の684得点とは大きな開きがあった。
得点力不足の煽りを受けているのが投手陣。特に今季の菅野は、防御率リーグトップの2.01をマークするも、9勝6敗と白星が伸び悩み、入団以来の2ケタ勝利記録が3年連続でストップした。
救援陣に勝ち星を消される試合も多かったが、打線の援護をどれだけ受けたかを示す“援護率”を見ると、規定投球回クリア投手の中ではリーグワーストの2.92。防御率1.91ながら10勝11敗と負け越した昨季も援護率は3.13で、白星は1年目の13勝をピークに、2年目以降12勝、10勝、9勝と右肩下がりになっている。
今シーズン10勝10敗、防御率2.72をマークした期待の若手左腕・田口も、援護率は3.89と高くはなかった。こちらは入団2年目で12試合に先発した昨季の援護率が2.35と低く、高卒3年目で通算防御率2.71と安定した成績を残しながら、トータルでは13勝15敗と負け越している。
一方、打線が活発だった今季の広島は、最多賞と勝率1位の2冠に輝いた野村が援護率リーグトップの5.74。左腕エース・ジョンソンも同2位の5.25をマークし、それぞれ16勝と15勝を記録した。
契約更改では推定1億円アップに笑顔を見せた菅野だが、シーズン中はベンチでの苦悶の表情が目についた。大型補強で得点力アップが見込めそうな来季は、過去2シーズンの鬱憤を晴らせるだろうか。