ニュース 2016.12.26. 07:45

一打席に勝負をかける!今季の代打事情は…

代打起用回数1位は?


 試合終盤の一打席に勝負を懸ける代打の仕事。その一振りが勝敗を分けることも多く、非常にプレッシャーのかかるポジションだ。

 その代打で、首脳陣からの信頼を受け、今季もっとも代打で名前を呼ばれた選手は誰なのか。リーグによって起用回数に差が出てくるため、セ・パを別にして見てみたい。

 セ・リーグは、下園辰哉(DeNA)が66回でトップだ。これは、両リーグ通じて最も多かった。下園は代打での打率が.260(50-13)と起用回数トップ3の中で、最も高い数字だ。次いで2位が狩野恵輔(阪神)、飯原誉士(ヤクルト)の55回。ちなみに、昨季、代打で打率.380、1本塁打、15打点と大活躍を見せた小窪哲也(広島)は今季の起用回数はリーグ5位の47回だった。

 一方のパ・リーグは、上本達之(西武)の58回。パ・リーグは指名打者制が採用されているため、代打が送られにくい環境にあるが、上本は同じ捕手の炭谷銀仁朗の代打で登場するケースが多かった。代打での打率が.275(51-14)と高い。2位は井口資仁(ロッテ)の42回、3位は矢野謙次(日本ハム)の39回となっている。

起用回数
<セ>
1位 66回 下園辰哉(DeNA)
2位 55回 狩野恵輔(阪神)
2位 55回 飯原誉士(ヤクルト)

<パ>
1位 58回 上本達之(西武)
2位 42回 井口資仁(ロッテ)
3位 39回 矢野謙次(日本ハム)

代打の打点トップ3


 代打での打点を見ると、セ・リーグは起用回数トップの下園と2位の狩野が11打点でトップ。特に下園は代打での得点圏打率は.375を記録するなど、勝負強さを見せた。3位は今浪隆博の9打点。今浪は打点トップの下園を超える得点圏打率.533とチャンスで打席に回れば、半分の確率で安打を放っていたことになる。

 パ・リーグは、井口が両リーグトップの12打点をマーク。5月29日のソフトバンク戦では、武田翔太から貴重な同点2ランを放った。2位は矢野と上本の8打点だった。

【打点】
<セ>
1位 11打点 下園辰哉(DeNA)得点圏.375
1位 11打点 狩野恵輔(阪神)得点圏.194
3位  9打点 今浪隆博(ヤクルト)得点圏.533

<パ>
1位 12打点 井口資仁(ロッテ)得点圏.261
2位  8打点 矢野謙次(日本ハム)得点圏.235
2位  8打点 上本達之(西武)得点圏.333

12球団の代打成功率


 ここまで、代打での起用回数と打点を見てきたが、12球団の代打成功率を見ていきたい。セ・リーグで最も代打成功率が高かったのは、DeNAの.248だ。DeNAの代打陣はリーグトップの起用回数を誇る下園が代打の打率.260、山下幸輝が打率.400、白崎浩之が.381、乙坂智が.345と高い打率を記録した。

 セの最下位は巨人の.171。昨季まで“代打の切り札”に高橋由伸がいたが、現役を引退し今季から監督に就任。今季は捕手の相川亮二が勝負所の代打で起用されるなど苦戦。最後まで、切り札と呼べる存在がでてこなかった。

 一方のパは楽天が代打打率.296で12球団トップ。楽天の代打陣は、今季限りで現役を引退した後藤光尊が打率.400を記録し、枡田慎太郎も打率.379をマークした。その中でも枡田は、代打での四死球がリーグトップタイの8つと、四死球でも出塁しており、出塁率は.514だった。

 次いで2位はオリックスの.262だった。オリックスはチーム打率.253で最下位だったが、代打での打率は非常に高かった。オリックスの特徴として、ロッテの井口、西武の上本、日本ハムの矢野、楽天の枡田といった切り札的な存在の選手はいなかったが、全体で見ると高い成功率を誇った。

【代打打率ランキングセ】
1位 .248 DeNA
2位 .247 ヤクルト
3位 .233 中日
4位 .227 広島
5位 .197 阪神
6位 .171 巨人

【代打打率ランキングパ】
1位 .296 楽天
2位 .262 オリックス
3位 .231 日本ハム
4位 .220 ロッテ
5位 .206 西武
6位 .192 ソフトバンク

 重要な局面で登場することの多い各球団の“代打の切り札”。レギュラー選手とは違ったプレッシャーの中で戦う、“切り札”たちに来季も注目だ。
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