助っ人をコスパで斬る
2016年も残すところあとわずか...。今年も激闘の中で様々な記録やドラマが誕生したが、ここでは“お金”の部分に着目して1年を振り返ってみたい。
近年ではすっかりと定着した『コストパフォーマンス』というワード。略して『コスパ』。あるものにかかるコスト(費用)とパフォーマンス(効果)を比べたもので、費用対効果ともいう。
これを野球界に当てはめて考えると、「コスパが良い」とは「低年俸で活躍」することになる。今回は各選手のコストパフォーマンスを計るべく、投手は「1アウトあたりの金額(=年俸/アウト数)」、野手は「安打1本あたりの金額(年俸/安打数)」を軸に、かかった費用の少なかった順にランキングにした。
(※金額はすべて推定)
中日勢がワンツー
【投手編】
※1アウトあたりの金額(=年俸/アウト数)
1位 8.3万円 ジョーダン(中日)
☆年俸3000万円
[成績] 22試(121回) 6勝6敗 防4.24
2位 10.6万円 バルデス(中日)
☆年俸4000万円
[成績] 20試(125回2/3) 6勝7敗 防3.51
3位 18.6万円 ルーキ(ヤクルト)
☆年俸3600万円
[成績] 69試(64回2/3) 6勝6敗33HLD 防3.06
4位 21.1万円 ウルフ(西武)
☆年俸1500万円
[成績] 4試(23回2/3) 4勝0敗 防3.04
5位 22.8万円 ヘーゲンズ(広島)
☆年俸5700万円
[成績] 50試(83回1/3) 7勝5敗 防2.92
投手では、中日のジョーダンとバルデスがワンツー。“ドミニカルート”でお馴染みの中日の2人が並んだ。
ジョーダンは1アウトあたりの金額が唯一10万円を切って8.3万円。一軍と二軍を行ったり来たりという生活が続いた中、前半戦は5勝を挙げるなど安定した投球を披露した。このオフには一度自由契約となったが、ここに来て再契約の線も浮上してきているという。
3位はリリーフながらヤクルトのルーキが入り、4位は途中加入で負けなしの4勝を挙げた西武・ウルフがランクイン。5位には広島25年ぶりVを支えたヘーゲンズが入っている。
なお、沢村賞を獲得した広島・ジョンソンは8位。年俸の安い投手ほど有利になってくる中、年俸1億5000万円の左腕がここに割って入ってきているのはさすがの一言。来季からは年平均3億円を超える3年契約を締結している。
~6位以下~
6位 23.0万円 チェン・グァンユウ(ロッテ)
7位 27.0万円 ネイラー(中日)
8位 27.7万円 ジョンソン(広島)
9位 28.8万円 レイ(楽天)
10位 29.3万円 デイビーズ(ヤクルト)
楽天勢が奮闘
【野手編】
※安打1本あたりの金額(=年俸/安打数)
1位 29.2万円 ウィーラー(楽天)
☆年俸4000万円
[成績] 140試 率.265 本27 点88
2位 33.0万円 ナニータ(中日)
☆年俸3000万円
[成績] 92試 率.285 本8 点35
3位 49.0万円 ペゲーロ(楽天)
[成績] 51試 率.279 本10 点26
4位 69.4万円 レアード(日本ハム)
[成績] 143試 率.263 本39 点97
5位 71.4万円 ペレス(楽天)
[成績] 24試 率.239 本5 点15
つづいて野手編。トップ5に3名を輩出する楽天勢の健闘が目立つ。
今季の目玉だったゴームズの途中帰国で“失敗”の印象が強いものの、シーズン途中での獲得も含めて比較的安価で獲得した助っ人たちがそこそこの数字を記録。ウィーラーは本塁打1本あたりも148.1万、打点1つあたりも45.5万でトップ。コスパの三冠に君臨している。
また、自身初の本塁打王に輝き、日本ハムを日本一に導いたレアードは4位。来季から2年総額6億円とも言われる新たな契約を掴んだ。
~6位以下~
6位 77.6万円 エルナンデス(中日)
7位 88.2万円 アマダー(楽天)
8位 100.0万円 ジェフン(ヤクルト)
9位 118.1万円 ロペス(DeNA)
10位 122.7万円 モレル(オリックス)