今季は日本ハムの投手陣が2ケタ勝利カルテット
一時は首位ソフトバンクと最大11.5ゲーム差つけられながらも、大逆転優勝を果たした日本ハム。投手陣に目を向けると有原航平が11勝、大谷翔平、増井浩俊、高梨裕稔が10勝をマークし、球団では2011年以来となる“2ケタ勝利カルテット”が誕生した。
4人の投手が2ケタ勝利を達成したが、この4人の中で規定投球回に到達した投手は、有原航平しかいない。07年からの10年間で今年の日本ハムを含めると、8度2ケタ勝利カルテットが生まれているが、規定投球回到達した投手が1人というケースは1度もなかった。2ケタ勝利カルテットを達成したチームは、先発投手がしっかり揃っている。
今年“2ケタ勝利カルテット”を達成した日本ハムを見ると、有原は二軍で再調整した時期もあったが、チーム最多の156回を投げ、11勝(9敗)、防御率2.94をマーク。
規定投球回に到達しなかった大谷、高梨、増井の3人を振り返ると、大谷は開幕から先発ローテーションの一角で投げていたが、7月10日のロッテ戦でマメが潰れて以降、約2カ月先発のマウンドから遠ざかったこともあり、投球回数は140回だった。
昨季39セーブをマークした増井は、守護神を務めていたが、春先打ち込まれるケースが多く、シーズン途中から先発に転向。先発初登板は8月4日のロッテ戦だったが、2カ月弱で7勝をマーク。リリーフ時代の3勝を合わせて、10勝を挙げた。ちなみに増井は、21世紀に入ってから史上初となる10勝10セーブを達成している。
3年目の高梨も春先は、主にビハインドゲームで投げるリリーフ投手だった。今季初先発となった6月8日の広島戦で白星を挙げると、その後1度も敗れることなく、先発8連勝で10勝に到達した。
有原と大谷は先発としてある程度計算はできていたと思うが、シーズン前に高梨と増井が2ケタ勝利を達成するとは誰も予想しなかっただろう。高梨と増井が先発で活躍したことで“2ケタカルテット”が誕生し、4年ぶりのリーグ優勝達成したといえそうだ。
【日本ハムの2ケタ勝利カルテットの投球回】
※規定投球回は143回
有原航平 156回
大谷翔平 140回
高梨裕稔 109回2/3
増井浩俊 81回
2007年からの10年間の2ケタ勝利カルテット一覧
●08年西武(優勝、日本一)
岸孝之
成績:12勝4敗 168回1/3 防3.42
帆足和幸
成績:11勝6敗 174回2/3 防2.63
石井一久 ※規定投球回到達せず
成績:11勝10敗 135回1/3 防4.32
涌井秀章
成績:10勝11敗 173回 防3.90
●08年オリックス(2位)
小松聖
成績:15勝3敗 172回1/3 防2.51
山本省吾
成績:10勝6敗 154回2/3 防3.38
近藤一樹
成績:10勝7敗 149回 防3.44
金子千尋
成績:10勝9敗 165回 防3.98
●10年日本ハム(4位)
武田勝
成績:14勝7敗 168回1/3 防2.41
ダルビッシュ有
成績:12勝8敗 202回 防1.78
ケッペル
成績:12勝8敗 158回2/3 防3.35
榊原諒 ※規定投球回到達せず
成績:10勝1敗 72回 防2.63
●10年ヤクルト(4位)
石川雅規
成績:13勝8敗 186回1/3 防3.53
館山昌平
成績:12勝7敗 147回2/3 防2.93
由規
成績:12勝9敗 167回2/3 防3.60
村中恭兵
成績:11勝10敗 178回 防3.44
●11年日本ハム(2位)
ダルビッシュ有
成績:18勝6敗 232回 防1.44
ケッペル
成績:14勝6敗 162回 防3.22
ウルフ
成績:12勝11敗 150回 防3.60
武田勝
成績:11勝12敗 164回2/3 防2.46
●12年巨人(優勝、日本一)
内海哲也
成績:15勝6敗 186回 防1.98
杉内俊哉
成績:12勝4敗 163回 防2.04
ホールトン
成績:12勝8敗 158回 防2.45
沢村拓一
成績:10勝10敗 169回2/3 防2.86
●13年広島(3位)
前田健太
成績:15勝7敗 175回2/3 防2.10
野村祐輔
成績:12勝6敗 149回1/3 防3.74
バリントン
成績:11勝9敗 172回2/3 防3.23
大竹寛
成績:10勝10敗 163回 防3.11
●16年日本ハム(1位)
有原航平
成績:11勝9敗 156回 防2.94
大谷翔平
成績:10勝4敗 140回 防1.86
高梨裕稔
成績:10勝2敗 109回2/3 防2.38
増井浩俊
成績:10勝3敗 81回 防2.44