『2番』青木の躍動が止まらない!
今季最も重要な3連戦を前に青木宣親(ロイヤルズ)が当たりに当たっている。1985年以来、29年ぶりの優勝を狙うロイヤルズと地区3連覇中の王者タイガース。現在、ロイヤルズは首位タイガースを0.5ゲーム差で追いかけている。
現地時間19日からカンザスシティで行われる3連戦でどちらかがスイープ(全勝)すれば、勝ったチームが一気に優勝に近づくが、2勝1敗なら最後の最後までもつれる可能性が高くなる。また優勝を逃しても2位のチームはワイルドカードでプレーオフに進出する可能性もある(現在ロイヤルズが0.5ゲーム差をつけてWC争い首位)。
9月に入り湿りがちだった打線のテコ入れとして、ロイヤルズは13日のレッドソックス戦から青木を2番に据えるなど打順を大きく変えてきた。これが功を奏し、今月(12日まで)2.7点だった1試合平均得点が、13日以降の5試合は5.2点と倍近くに増加。“2番”青木も21打数13安打と打ちまくっている。これで今季の打率(.281)、出塁率(.349)ともに過去2年のレベルまで押し上げてきた。
シーズン最終カードは青木が大得意のホワイトソックス戦
さて注目の天王山で青木は好調を維持できるのだろうか。先発が予想されるタイガースの3投手(バーランダー、シャーザー、ポーセロ)に対して、青木は通算26打数4安打(打率.154)と分が悪いように見えるが、出塁率は.395と非常に優秀だ。新打順でもクリーンアップにつなぐ重要な役割を果たしてくれるだろう。
一方のタイガースは打線が絶好調。特に主軸のカブレラとV.マルチネスが今月に入り合計10本塁打、打率.427とシーズン終盤を迎えギアを上げてきている。ロイヤルズの9月本塁打数がチーム全体で7本だから、2人の好調さが分かるだろう。ロイヤルズ投手陣がこの2人をいかに抑えられるかが天王山のポイントの一つとなる。
ロイヤルズとしては3連敗だけは絶対に避けたいところ。逆にいえば1勝2敗でもチャンスは残る。タイガース戦のあとはインディアンスと4試合(うち1試合はサスペンデッドゲーム=2-4とリードされた場面で10回裏のロイヤルズの攻撃から再開される)、ホワイトソックスと4試合残っている。今季、青木はホワイトソックス戦12試合に出場し、49打数26安打(打率.531)と驚異的な打率を挙げており、優勝争いが最後のホワイトソックス戦までもつれれば青木のバットがカギを握ってくるかもしれない。
ロイヤルズは29年ぶり、青木にとってはヤクルト、ブルワーズ時代も含めてプロ入り後初めての優勝が懸かっている。まずはタイガースとの3連戦に勝ち越して勢いをつけたいところだ。注目の天王山第1戦は20日(土)午前9時10分(日本時間)にプレーボールがかかる。