コラム

今季大ブレイク!ヤクルト山田哲人の攻撃力を数字で検証

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9月21日の巨人戦、延長11回に決勝本塁打を放つヤクルト山田哲人(投手・江柄子、捕手・小林)=東京ドーム© KYODO NEWS IMAGES

右打者のシーズン安打球団記録を更新 球団史上最高の1番打者へ


 プロ入り4年目を迎え、その素質が一気に花開いたヤクルトの山田哲人。ここまで132試合に出場し、打率はセ・リーグ2位の.321、25本塁打、78打点。(9月22日時点)3番で出場した8試合を除き1番セカンドでスタメン出場し、9月16日の阪神戦では今季6本目の先頭打者本塁打を放った。これは、55年の佐藤孝夫に並ぶ球団歴代2位の記録だ。4月から毎月1本ずつ先頭打者本塁打というのは日本プロ野球史上初の珍しい記録でもあった。

 5月には42安打、8月には41安打と月間40安打以上を2度記録するなど、古田敦也が持っていた右打者のシーズン最多安打の球団記録(97年の164安打)をも更新。

 映画『マネーボール』でも話題となったセイバーメトリクスの中にRC27という指標がある。攻撃に関するあらゆる数値に統計から割り出した係数を掛け、ひとりの打者で打線を構成した場合に何点入るかを表すものだが、今季の山田のRC27は8.03でセ・リーグトップ。理論上、山田ひとりで打線を組んだ場合、1試合で8点取る計算になるのだ(2位ルナ(中日)の7.09より1点近く多い計算だ)。打率こそリーグ2位だが、山田こそ今季のセ・リーグで最も攻撃力のある打者なのだ。 

 先頭打者本塁打の球団記録は78年ヒルトンの8本。ヒルトンはその年、128試合に出場し打率.317、19本塁打、76打点で、RC27は6.85。今季のみならず、山田は球団史上最高の攻撃型1番打者と言える。


2ストライク後に強さを発揮 出塁能力と長打力を兼ね備えた1番打者


 山田が今季好成績を残している要因のひとつは、2ストライク後の打撃にある。どれほど優れた打者でも2ストライク後の打率は落ちる。9月19日時点でセ・リーグ打率ベスト10の打者の2ストライク後の打率は以下の通りだ。

マートン(阪神)   172打数40安打 打率.233(.340)
菊池涼介(広島)   225打数54安打 打率.240(.324)
ルナ(中日)     225打数50安打 打率.222(.317)
鳥谷敬(阪神)    216打数44安打 打率.204(.313)
雄平(ヤクルト)   250打数60安打 打率.240(.313)
大島洋平(中日)   295打数73安打 打率.247(.310)
川端慎吾(ヤクルト)  234打数62安打 打率.265(.309)
畠山和洋(ヤクルト)  184打数51安打 打率.277(.302)
バレンティン(ヤクルト)207打数46安打 打率.222(.301)
※(  )内は今シーズンの通算打率

 軒並み打率を大きく落としているが、山田は287打数83安打、打率.289の成績を残している。また、24本塁打中9本塁打は2ストライク後に放ったものだ。追い込まれても簡単には凡退せず、四球もリーグ4位の70個。粘って出塁する上に、長打力もある。相手にとってこれ以上嫌な1番打者はいない。

 山田はここまで174安打を放っているが、シーズン200安打まで26本。残り13試合での到達は厳しいが、もし到達となれば日本人の右打者としては初の快挙だ。チームが最下位に低迷する中、シーズン最後まで山田のバットに注目が集まる。
(数字はすべて9月19日現在)

文=京都純典(みやこ・すみのり)
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