コラム

本拠地開催が勝負の分かれ目…阪神と広島が繰り広げる激しい2位争い

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本拠地開催へ向けて激しい2位争いを繰り広げている広島と阪神© KYODO NEWS IMAGES

ともに本拠地で強い広島と阪神 CS開催球場をめぐる熱い2位争い


 例年通り、シーズン終盤の強さを発揮した巨人がリーグ3連覇を決めたが、セ・リーグの激しい戦いは終わっていない。注目を集めるのは、その巨人への挑戦権をかけCSファーストステージへ出場する広島と阪神だ。現在、両者はゲーム差なしで並んでいる(9月28日終了時点)。熾烈な2位争いは、そのままCSの開催球場をめぐる戦いでもある。

 今季の両者の対決は、阪神が甲子園で7勝2敗、広島はマツダスタジアムで6勝3敗。ともに熱狂的ファンが多いためか、ただでさえ本拠地で強い両球団だが、直接対決ではその傾向が特に顕著だ。2位になれば、CSファーストステージ突破へぐっと近づくこととなる。

 ただ、阪神の場合、仮に2位になったとしても、ファンの心境は諦めまじりの複雑なものかもしれない。というのも、CSでは“無類の弱さ”を発揮するのが阪神だからだ。過去4度のCS出場成績は1勝8敗という散々なありさま。昨年は本拠地・甲子園で広島にあっさりと2連敗で敗退してしまった。

 もはやトラウマになっているのではないかと勘繰るほどだが、阪神とて無策で臨むわけではない。短期決戦だけに初戦が重要ということは言うまでもなく、広島はエース・前田健太の登板が予想される。一方の阪神は、甲子園ならランディ・メッセンジャー、マツダスタジアムなら能見篤史を初戦のマウンドに送り込む変則プランだという。メッセンジャーのマツダスタジアムでの防御率は8.10と悲惨なものだが、甲子園では2.39と豹変する。能見は逆に甲子園で3.96、マツダスタジアムでは2.25。球場の相性により使い分けるというわけだ。


甲子園で無類の強さを見せる藤浪 阪神2位なら圧倒的有利に!?


 ただ、2戦先勝で決するCSファーストステージでは、重要なのは2戦目以降も変わらない。開催球場を問わず3戦目には藤浪晋太郎を起用するとの情報がある。13勝10敗と今季の対戦成績では広島を上回る阪神だが、昨年の例を挙げるまでもなく、短期決戦では何が起こるか分からない。3戦までもつれることも十分に考えられ、その場合、2年目の右腕に運命が託される。

 今季は終盤に打ち込まれる場面も見られた藤浪だが、振り返ってみれば、松坂大輔(現ニューヨーク・メッツ)以来、高卒1年目から2年連続での二桁勝利を挙げ、奪三振数はメッセンジャーに次ぐリーグ2位。何より、1年間ローテーションを守るなど、先発投手として着実に成長している。もともとクレバーな投手であり、昨季以上に冷静なマウンドさばきを見る限り、大一番にぴったりだ。

 藤浪の不安要素を一つ挙げるとしたら、左打者を苦手としている点だろうか。対右打者の被打率.191に対し、対左打者では.306である。特に、全打者中、最も対戦打数が多い丸佳浩には24打数14安打、打率.583と完全にかもにされている。藤浪と丸、両者の対決がCSファーストステージのキーとなるかもしれない。

 そうはいっても、まずはレギュラーシーズンで2位となることが先決。高校時代から慣れ親しんだ本拠地で、藤浪は昨季の5勝1敗に続き、今季も6勝1敗と圧倒的な強さを見せている。その利点を生かすためにも、なんとしてでもCSファーストステージの本拠地開催を勝ち取りたいところ。阪神の残り試合は3、広島は4だ。

 今週10月1日には最後の直接対決が予定されている。それまでの成績次第では、2位をかけた総力戦の戦いが繰り広げられるかもしれない。

文=清家茂樹(せいけ・しげき)
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