コラム 2014.10.24. 11:58

さぁ日本シリーズだ!29年ぶり日本一へ、虎の運命は西岡剛が握る

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CSファイナルステージでは19打数7安打、打率.368でほとんどの得点に絡む活躍を見せた西岡剛選手 © KYODO NEWS IMAGES INC

CSで見せた和田監督の積極策 西岡、上本の1、2番コンビが活躍


 広島と対戦したクライマックスシーリズ(以下CS)ファーストステージを1勝1分。2007年に始まったCSで、5度目の進出にして初めてファーストステージを突破した阪神。

 リーグ3連覇の巨人と対戦したファイナルステージでも勢いそのままに4連勝。2005年以来9年ぶりの日本シリーズ進出を決めた。ファイナルステージにアドバンテージが導入されてから、2位以下のチームが日本シリーズ進出を果たしたのはセ・リーグで初めてのことだった。

 勝因のひとつは、和田豊監督の積極的な采配だ。

 レギュラーシーズンでは上本博紀と大和でほぼ固定されていた1、2番をCSでは西岡剛と上本に組み替えた。今季のレギュラーシーズンでは3試合しかなかったコンビをCSで組ませた。なかでも西岡の1番抜擢には驚きの声もあがった。

 西岡は開幕直後にケガで離脱。6月下旬に復帰したものの、再び戦列を離れた。9月に一軍復帰を果たしたが、スタメン出場は1試合もなかった。9月の成績は7打数2安打と特別よかったわけでもない。
その西岡がCSファイナルで躍動した。初戦、レフト前ヒットで出塁すると鳥谷敬のタイムリーで先制のホームを踏んだ。2戦目は2得点、3戦目は5打数1安打だったが、勝ち越しのきっかけとなるヒットを放った。4戦目は試合を決定づける2ラン含む3安打。4戦で19打数7安打、打率.368。ほとんどの得点に絡む活躍を見せたのだ。 


阪神の主力野手で唯一の日本一経験者 日本シリーズも西岡がキーマンに!


 日本シリーズでも西岡がキーマンになりそうだ。

 阪神の主力野手陣で日本シリーズの経験があるのは、西岡、鳥谷敬、福留孝介の3人。鳥谷はプロ2年目の2005年に出場し、ロッテと対戦した。14打数4安打、打率.286に終わり、チームも4連敗という屈辱を味わっている。福留は中日に入団した1年目の99年を初出場。以降、チームは2004年、06年、07年に出場したが2004年、07年はケガのため福留は出場していない。

 西岡は、ロッテ時代の2005年、10年に出場し、いずれも日本一に輝いている。つまり、阪神の主力野手で日本シリーズに出場し、日本一を経験したのは西岡だけなのである。

 2回出場した日本シリーズ計11試合で、西岡はすべて1番としてスタメン出場。通算53打数11安打、打率.208と好成績を残しているとは言えない。しかし、ノーヒットで終わったのは2010年の第2戦だけである。

 過去の日本シリーズで先制したチームの勝敗は259勝117敗で勝率.689。今季、両リーグ通算の先制時勝率も.681と大きく変わらない。それが2001年以降の日本シリーズに限ると58勝18敗1分、勝率.763まではね上がる。投手の分業制が確立されたこともあり、日本シリーズで先制点の重要度は増していると言っていいだろう。

 初回、西岡が塁に出て、上本がつなぎ、鳥谷、ゴメス、マートンの中軸で返す。シンプルな攻撃をどれだけできるか。その回数が増えれば増えるほど、29年ぶりの日本一は近づくはずだ。

文=京都純典(みやこ・すみのり)
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