ニュース 2014.10.21. 11:10

鷹虎決戦は7戦までもつれる?阪神が史上初、“3世代の鷹”との覇権争いへ

 プロ野球は昨日でクライマックスシリーズの全日程を終え、日本シリーズ進出チームが出揃った。

 セ・リーグは阪神が王者・巨人を4連勝で下し、CSを無敗で突破。2位からの下剋上を狙う。対するパ・リーグはソフトバンクがレギュラーシーズンに続いて最終戦までもつれた争いに勝利し、日本シリーズへと駒を進めた。タイガースとホークスによる日本シリーズは2003年以来、11年ぶり3度目となる。

 ここで両者の過去の日本シリーズを振り返って見ると、おもしろいポイントを発見することができる。一つ目は、3度の対戦でいずれもホークスの企業名が変わっているという点だ。

 両者が初めて日本シリーズで相見えたのは、東京五輪が開催された1964年。当時、ホークスは南海ホークスであった。次に対戦したのが2003年。今から11年前のことであるが、当時の球団名は福岡ダイエーホークス。そして、今年。お分かりの通り、球団名は福岡ソフトバンクホークスに変わっている。

 南海、ダイエー、ソフトバンクと“3世代の鷹”と日本シリーズで対戦するのは、阪神が初めて。南海時代は1951年から1973年の22年間で実に10度の日本シリーズ出場を果たしているが、そのうちなんと9回が巨人との対戦。唯一巨人以外の対戦となったのが1964年であった。この時点で“3世代”対戦は巨人と阪神の2チームにしかできない珍記録となる。近年、セ・パの優勝候補筆頭として度々名前が挙がる巨人とソフトバンクであるが、実はまだ日本シリーズでの対戦というのは実現していない。

 そしてもうひとつが、いずれも7戦目までもつれ、ホークスが勝利しているというところだ。

 初対戦の1964年は先に阪神が3勝で王手をかけるも、第6戦でその年のリーグMVPを獲得した南海のスタンカが、29勝と防御率1.89で投手二冠に輝いた阪神のバッキーとのエース対決で完投勝利を収め、逆王手をかけると、翌日の第7戦でも先発し、なんと2試合連続完投勝利。スタンカの大車輪の活躍で南海が日本一に輝いた。

 そして、2度目の顔合わせとなった2003年は通称“内弁慶シリーズ”と呼ばれた戦い。ダイエーが本拠地で連勝スタートを切るも、甲子園で阪神に3連敗。一転窮地に追い込まれたが、福岡に戻ると再び勢いを取り戻し、2連勝で逆転日本一に輝いた。2試合に登板して2勝を挙げ、16イニングで失点わずかに1と阪神打線を封じ込めた杉内俊哉(現巨人)が日本シリーズMVPを獲得している。

 今年のソフトバンクはリーグ優勝が決まったのがシーズン最後の144試合目。さらにCSも最終6戦までもつれこんだ。秋山監督もCS突破のインタビューで「本当にきついシーズン」と本音を漏らしていたが、日本シリーズも最終戦までの厳しい戦いが待っているかもしれない。

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