コラム 2014.12.24. 15:11

イチロー、糸井、雄平に続け!「投手から外野手」でブレイクの予感…木村文紀(西武)の球歴とは

投打の逸材が迷わず選んだのは「ピッチャー!」


 新人選手の入団発表と契約更改がニュースとなる師走のプロ野球界。
 16日には、雄平(ヤクルト)が5倍増の6000万円(推定)でサインして話題となった。投手から外野手に転向して5年目の大ブレイクで、文句なしの5倍増だった。

 転向して大ブレイクした選手といえば、パ・リーグ首位打者の糸井嘉男(オリックス)。その糸井に続けと意気込むのが木村文紀(西武)だ。1988年生まれ、東京都出身。田中将大(ヤンキース)、坂本勇人(巨人)らと同じ「88世代」である。

 野球好きの父親の影響で小学2年の時に野球を始め、中学時代は硬式のボーイズリーグ「城南ドリームボーイズ(東京)」に所属。投手兼外野手としてプレーし、春夏の全国大会に出場した。当時から有名だった前田健太(忠岡ボーイズ/現・広島)との対戦はなかったものの、ブルペンで一緒に投げる機会があり、「コイツは絶対プロに行くな」と思ったという。

 高校は「環境がよかった」という理由で埼玉栄高校へ。2学年上に山崎憲晴(現・DeNA)、2学年下に白崎浩之(現・DeNA)がいた。

 木村は1年夏から1番・レフトとして出場し、秋から投手に専念。すぐさま、エースとなる。2年夏は5番・投手として投打に大活躍し、チームを県大会決勝まで導いた。春日部共栄高校との決勝戦は、9回2死まで3点リード。甲子園まであとアウト一つから、まさかの逆転負け……。春日部共栄高の4番、ライトオーバーの逆転打を放ったのは靏岡賢二郎(現・DeNA)。現在のチームメートである斉藤彰吾も、1年生ながら出場していた。

 エース・4番・主将として臨んだ3年夏は、県大会4回戦敗退。全国デビューできずに高校野球を終え、ドラフト会議を迎えることになった。投げては140キロ台後半、打っては120メートル級の打球を飛ばし、高校通算33本塁打。プロで投打どちらを選ぶか聞かれると、木村は「ピッチャーです!」と即答していた。


プロ初勝利の翌年に外野手転向発表!


 2006年ドラフト会議。高校生の目玉は、駒大苫小牧高校(北海道)のエース・田中将大。続く存在として、PL学園高校(大阪)の前田健太、そして、鷲宮高校(埼玉)の増渕正義が挙がっていた。同じ埼玉でしのぎを削った木村と増渕は、2回対戦して木村が2勝。増渕は木村をライバルとして強烈に意識していたが、ドラフト会議では立場が逆転。西武は増渕を1位指名。ヤクルトと競合して抽選を外した結果、木村が1位指名された。

 それでも期待は大きく、背番号は渡辺久信監督(当時)が現役時代につけていた41。しかし、度重なる故障、手術、軽度の交通事故など不運もあり、結果を残せない。プロ初勝利は5年目の2011年。結局、それが最初で最後の勝利となった。

 2012年9月、6年目のシーズン終盤に、球団から外野手転向の発表。首脳陣は「走攻守すべてに優れたものを持っている。心機一転やってほしい」と期待を寄せ、本人は「チャンスととらえて、一生懸命頑張ります。やるしかありません」とコメント。「未練がないと言ったらウソになります」とも打ち明けたが、野手転向経験者に話を聞いて回り、共通したアドバイス「とにかくバットを振れ」を聞き入れた。たとえではなく、実際に手の皮がむけるほどバットを振り込んだという。

 2013年5月には投打の二刀流ルーキー・大谷翔平(日本ハム)とイースタンリーグで対戦。場外ホームラン2本を浴びせた。それが寮のテレビで観戦していた渡辺監督の目に留まり、1軍に昇格。1週間後にはプロ初打席初安打。その後すぐ、初アーチも記録。投手時代とは違い、短時間で結果も出してみせた。

 野手転向実質2年目となる2014年は、5番・レフトで開幕スタメン。100試合出場、打率.215、10本塁打。外野守備に不安はあるが、シャープなスイングで長打を飛ばし、バネを感じさせるフォームでダイヤモンドを駆け抜けた。

 11月中旬、秋季キャンプの地・宮崎県南郷市で行われた契約更改は、900万円増の1700万円(推定)でサイン。会見では「来年も緩むことなく開幕からアピールしたい」と開幕スタメン、レギュラー定着に意欲を見せている。田辺徳雄新監督による「強化指定選手」にも指名され、「外野は層が厚いので、売りである打撃を鍛えたい」と練習に取り組む日々を送っている。

 現在の背番号51は、イチロー(ヤンキース)のものとして印象深い。イチローも高校まで投手、プロで外野手になった大成功例だ。末は雄平か糸井か……それともイチローか――。成長の過程を来春のキャンプから追っていきたい選手である。

文=平田美穂(ひらた・みほ)

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