コラム 2015.03.08. 12:20

開幕スタメンなら44年ぶり!? 遅れてきた“90世代”DeNA・倉本寿彦の球歴とは

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DeNAのドラ3ルーキー・倉本寿彦©ベースボールキング

オープン戦絶好調のルーキーは逸材そろう“90世代”


 オープン戦が始まり、各球団いよいよ実戦モードに突入。そんな中、『球団史上44年ぶりの開幕スタメン新人遊撃手誕生か!?』と報じられたのが、DeNAのルーキー・倉本寿彦だ。2014年ドラフト3位で日本新薬から入団した背番号5。即戦力と期待される24歳である。

 3月1日の広島戦では、前田健太からチーム唯一となるヒットを放ち、その後は同点二塁打。昨季は3勝を献上した天敵・前田を打ったことで、「何か持っているね!」と中畑清監督は大喜び。

 さらに、かつての横浜の名ショートで同じ背番号5をつけていた石井琢朗(現・広島コーチ)には、「野球をやめるまで5番をつけていろよ。DeNAの5番は倉本と言われるまで頑張れ」と声をかけられた。幼い頃から石井に憧れてショートを志したという倉本は、「お会いできて嬉しかったです!」と大感激だった。

 倉本は1991年1月生まれ、神奈川県茅ヶ崎市出身。大学、社会人を経ての入団だが、横浜高校出身という“ほぼ地元選手”だ。7歳で野球を始め、藤沢リトルリーグに所属。茅ヶ崎市立荻園中学校時代は、寒川リトルシニアでプレーした。

 中学校卒業後は、高校球界の名門・横浜高校へ。2学年上に福田永将(中日)、佐藤賢治(日本ハム)、下水流昂(広島)、1学年上に高浜卓也(ロッテ)らがいる中、厳しい練習の日々を送った。

 同学年のエースは左腕の土屋健二(DeNA)。倉本は「1番・三塁」のレギュラーで、当時の資料には“横浜の切り込み隊長”とある。ちなみに、その打線で4番を務めていたのが、1学年下のスラッガー・筒香嘉智(DeNA)。中心メンバー3人がプロとなって『横浜』に集まるというのは、何かの縁なのだろうか。

 甲子園には3年春、夏の2回出場。春は初戦敗退だったが、夏はベスト4。2回戦で上本崇司、中田廉(ともに広島)がいた広陵高校(広島)、3回戦で橋本到(巨人)がいた仙台育英高校(宮城)に勝ち、準決勝で浅村栄斗(西武)が「1番・遊撃」で光っていた大阪桐蔭高校(=優勝校)に敗れた。

 野球界では田中将大(ヤンキース)、前田健太(広島)、坂本勇人(巨人)ら1988年生まれの“88世代”が注目されているが、倉本たち“90世代”も負けず劣らずの人材がそろっている。

即戦力新人が見据えるのは、開幕スタメンのその先――


 同級生のエース・土屋は、2008年秋のドラフト4位で日本ハムに入団(2013年よりDeNAに移籍)。倉本は、創価大学に進学する道を選んだ。

 東京六大学や東都大学に比べ、知名度がやや落ちる東京新大学野球連盟だが、春と秋のリーグ戦を行うことは変わらない。倉本が在学した4年間、創価大は1部リーグで優勝7回、2位1回という成績を残している。

 負けられないプレッシャーがかかるリーグ戦に、1年から出場。大学選手権には2回(チームとしては3回)出場して、全国レベルも肌で感じた。4年になると主将を務め、エース・小川泰弘(ヤクルト)と共に野球雑誌のドラフト候補選手リストに載るまでに。「見る度に軽快なフィールディングに練習の積み重ねを感じる」という評は、努力に対する最大の評価であろう。

 それでも高校3年時と同じく、プロに進んだのはエースの小川。倉本を指名する球団はなく、社会人の強豪・日本新薬でプレーすることになった。

 2年間の社会人生活でも技を磨き、都市対抗野球、日本選手権に出場。2014年9月に行われた仁川アジア大会では、日本代表チームの一員として銅メダルを獲得。社会人を代表する選手の中で、自分のアピールポイントを「守備、打撃」と堂々とコメントしている。
 
 2014年秋のドラフトでDeNAの3位指名を受け、念願のプロ入り。会見では「厳しい競争についていけるよう、しっかり練習したい」と話した。その言葉通り、初めてのキャンプで振り落とされるどころか、「キャンプで一番目立っていた。戦力として期待できる」と中畑監督の信頼を勝ち得た。

 オープン戦9試合終了時点での成績は28打数10安打、打率.357。社会人時代、門田博光氏(元・オリックスなど)から直接指導を受けた右足を高く上げるフォームは、ひとまず通用したといえる。キャンプ中、中畑監督が自らノックバットを振った守備も及第点。見据えるのは「44年ぶりの開幕スタメン新人遊撃手」の先。「開幕スタメンだけじゃなく、1年間レギュラーに定着したい」と力強く宣言した。

 ショートのポジション争いは、昨年115試合出場の山崎憲晴との激しいマッチレースになる。本当の勝負が始まるのは3月27日の開幕戦。巨人戦が行われる東京ドームは、アマチュア野球の最高峰・都市対抗の舞台でもある。社会人出身のプライドを胸に、倉本寿彦は全力でポジションを取りに行くだろう。ドームに響くスタメン発表で誰の名前が呼ばれるのか――開幕の日が待ち遠しい。

文=平田美穂(ひらた・みほ)

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