3番を打ちながら60盗塁は達成できるのか
海の向こうメジャーリーグではシンシナティ・レッズのビリー・ハミルトン外野手が早くも8盗塁(チーム9試合消化時点)と超ハイペースで盗塁を重ね、1987年以来の100盗塁超えも視野に入れている。一方、日本のプロ野球ではDeNAの梶谷隆幸がチーム16試合消化時点で6盗塁をマーク。2年連続盗塁王、そしてリーグ優勝に向けてチームをけん引している。
梶谷が現在のペースを保てば、盗塁数は年間50個を超える計算になるが、セ・リーグで最後に50盗塁以上をマークしたのは2005年の赤星憲広氏(60盗塁、当時阪神)が最後。ペースを少し上げることができれば、セ・リーグ7人目の年間60盗塁も十分狙えるだろう。
梶谷は今季ここまで全試合で3番を打ち、本塁打こそ出ていないが打率は3割を超え、首位争いを演じるチームの中心打者としてもはや欠かせない選手に成長した。しかし3番という打順は盗塁を増やすうえで決して理想的な打順とはいえない。出塁しても、続く打者が筒香嘉智、ロペスといった強打者なら盗塁というリスクを冒さずとも長打での得点が期待できるからだ。
さらに出塁率は昨季とほとんど変わらないが、四球の割合は昨季の11.5%(8.7打席に1四球)から6.8%(14.8打席に1四球)にまで減っている。今後は打率3割を保ちつつ、四球の数を増やすことも重要になってくるだろう。
さらに今季は二塁打の数がすでに10本に到達(セ・リーグ2位はヤクルト雄平外野手の6本)。年間90本近いハイペースで二塁打を量産している。当然長いシーズンでは単打、三塁打、本塁打に分散されるため、今後は単打から二盗を狙うという機会は増えていくはずだ。
「3番という打順」、「四球の少なさ」、「二塁打の多さ」などを考えれば、ここまでの16試合で6盗塁という数字はかなりいいペースといえるだろう。セ・リーグでは10年ぶり7人目の60盗塁に向けて、そしてDeNAにとってクライマックスシリーズ導入後初のAクラス、そして1998年以来のセ・リーグ制覇に向けて、もはや梶谷の存在は必要不可欠といえるだろう。