当たればスタンドインの交流戦11安打7本塁打
セ・リーグでは筒香嘉智(DeNA)、畠山和洋(ヤクルト)、パ・リーグでは中田翔(日本ハム)、柳田悠岐(ソフトバンク)ら、例年になく日本人スラッガーの活躍が目立つ今季、中村剛也(西武)がここにきて一気にペースを上げてきた。
6月7日のDeNA戦で18号本塁打を放ち、一時は独走していた中田をとらえ本塁打ランキング首位に立った(6月7日終了時点)。また、交流戦での7本塁打も畠山と並びトップである。
中村は交流戦にめっぽう強い。2011年(7本)、2012年(12本)、2014年(8本)と、過去5シーズンで3度の交流戦本塁打王を獲得している。
2010年と2013年はいずれも故障により出場がなかったか、途中で離脱しただけであり、出場できれば必ずといっていいほど本塁打王となっている。5度のホームランキングに輝いた和製大砲は交流戦も大好物というわけだ。
今季の交流戦では打率こそ.244と振るわないものの、11安打のうち実に7本が本塁打。当たればスタンドインといった具合だ。そのため、交流戦12試合で16打点をたたき出しながら、いまだにタイムリーヒットがないという珍現象まで引き起こしている。
セ下位球団をたたき交流戦明けの首位決戦に弾みを!
中村の奮起もあり、西武はチーム本塁打ではついにソフトバンクをとらえ12球団トップとなった。投手、特にリリーフ陣の安定度ではソフトバンク、日本ハムに一歩譲るところがある西武が優勝を狙うには、やはり“大阪桐蔭3兄弟”を軸とした打線が鍵となる。その中心はもちろん中村だろう。
ただ、いかに中村ら打撃陣が好調とはいえ、ソフトバンク、日本ハムの上位2球団との差が縮まらないのがもどかしいところ。今季からは試合数が減ったとはいえ、交流戦の成績がペナントレースに与える影響は大きい。3ゲーム差に上位3球団がひしめく現状なら、残された交流戦2カードの間にでも順位が入れ替わる可能性も大きい。
しかも、今週の対戦カードは西武にとって追い風となりそうだ。ソフトバンク、日本ハムが巨人、DeNA、阪神などセ・リーグ上位球団との対戦を残しているのに対し、西武は広島、ヤクルトという下位球団との対戦を残すのみ。特に中村は昨季のヤクルト戦で4試合3本塁打と相性が良い。
交流戦が終われば、西武はオリックス戦を挟み、ソフトバンク、日本ハムとの直接対決に挑む。中村を軸とした強力打線でセの下位球団をたたき、首位争いに向けて弾みをつけたい。
文=清家茂樹(せいけ・しげき)