ここまで5勝を挙げているポレダの課題は左打者対策
開幕からケガ人が続出し、ベストメンバーがなかなか組めない巨人。主力の野手陣では村田修一が離脱中で、攻守に渡るチームの要・阿部慎之助も首の痛みで登録を抹消された。
投手陣では、開幕から離脱していた内海哲也が5日のソフトバンク戦で復帰したものの、その試合で足を痛め再び登録を抹消。防御率がリーグトップの菅野智之も、復帰までそう長くかかりそうはないが、一軍登録を抹消されている。
新人ながら開幕から5連勝を記録した高木勇人や、奪三振率がリーグトップの10.14で5勝を挙げている杉内俊哉の活躍もチームを支えているが、忘れてはならないのが今季からチームに加わったポレダとマイコラスの外国人投手コンビだろう。
左腕のポレダは、4月4日の阪神戦で来日初勝利。これまで10試合に登板し5勝2敗、防御率3.17。開幕当初は、クイックモーションやフィールディングに難があったポレダだが、徐々に改善されつつある。そういった適応能力の高さも、活躍には欠かせない要素だ。
ポレダの課題は、対左打者の成績だ。右打者は被打率.224と抑えているが、左打者には被打率.319とよく打たれている。右打者に対しては内角に食い込んでくるクロスファイアーを効果的に使っているが、左打者に対しての工夫次第ではチームの柱となる可能性を十分に秘めている。
来日1年目で規定投球回に達すれば、巨人の投手では19年ぶり!
右腕のマイコラスは、開幕からしばらくは好投を見せても勝利投手になれなかった。だが、5月28日の西武戦で来日初勝利を挙げると、続く6月4日のオリックス戦では被安打5、奪三振9で、巨人の外国人投手では2009年のグライシンガー以来となる完封勝利を記録。これまで7試合に登板し2勝2敗。規定投球回に達していないものの、防御率は2.54と好成績だ。
マイコラスの特徴は、右打者を被打率.127と徹底的に抑えていること。左打者に対しても被打率.269と悪い数字ではない。また、マイコラスはゴロアウトが多いのも特徴だ。ここまでゴロアウトが58、フライアウトが30と、フライアウトの2倍近くゴロアウトを奪っている。本塁打にならないゴロを打たせる投手は、本塁打が出やすい東京ドームを本拠地にしているチームにとって確実な戦力となる。
巨人に所属している複数の外国人投手がそろって2ケタ勝利を挙げると、2009年のゴンザレスとグライシンガー以来、球団史上2度目。日本の他球団を経ずに巨人へ入団した外国人投手では初となる。来日1年目で規定投球回に達すれば1996年のガルベス以来19年ぶりのことだ。V9以来のリーグ4連覇へ。そのカギを握っているのは、外国人先発投手コンビかもしれない。
文=京都純典(みやこ・すみのり)