上位球団がそろって負け越し6月半ばとは思えぬ混戦に……
パ・リーグが6年連続の交流戦勝ち越しを決めた。
11年間に渡る交流戦の歴史の中において、セ・リーグが勝ち越したのは2009年のたった一度である。「人気のセ、実力のパ」とは古くから使われてきた決まり文句だが、近年は人気が拮抗する一方、実力ではやはりパが一枚上手だといわざるを得ない。6月14日に至ってはセ6球団全敗という有り様だ。
今季のセ・リーグは、その交流戦の結果によって面白い現象が引き起こされている。交流戦開幕直前の5月24日の段階ではセ・リーグ首位と最下位は8.5ゲームの開きがあったが、交流戦最終盤の現在では4.5ゲーム差の中に全球団がひしめいているのだ(6月14日終了時点)。
交流戦開幕前に首位を快走していたDeNAは最大11あった貯金を使い果たし、巨人の最大9の貯金は2にまで落ち込んだ。中日も含めた交流戦前の上位3球団がそろって交流戦で負け越し、逆に下位3球団は五分かわずかながら借金を返済したことで、6月半ばとは到底思えぬ混戦模様となっている。
上位球団と下位球団がぶつかる“再開幕”カード
戦力に厚みが増した広島、FA補強で頑張ったヤクルト、若手が力を付けてきたDeNAなどの存在もあり、開幕前から「混セ」を予想する声が多く聞かれた今季。先述した交流戦の結果を受けて、ますますその様相を強めている。ファンとしては、楽しくもあり、胃が痛む状況でもあろう。
雨天中止となった交流戦2試合(15日 ヤクルト対ロッテ、16日 阪神対日本ハム)を消化した後は、19日からリーグ戦が再開されるが、その対戦カードが興味深い。1位巨人は5位中日、2位DeNAは最下位広島、そして同率3位の阪神対ヤクルト(20からの二連戦)、いずれも上位球団と下位球団の対戦となっている。結果次第ではますます混戦に拍車を掛けることとなるだろう。
6月13日の試合後、貯金をゼロにしてしまった中畑清監督が「明日から開幕だよ」とコメントしたという話もある。その言葉通り、セ・リーグはまさにここからが本番。
シーズンの開幕ダッシュは優勝チームを占う大きな要因のひとつ。ここから、“再開幕ダッシュ”を決めるのはどのチームだろうか。リーグ戦再開後も、最初のカードから目が離せそうもない。
文=清家茂樹(せいけ・しげき)