コラム 2024.09.10. 16:50

日本人選手の最新「プレーオフ進出確率」―――大谷翔平×菊池雄星「先輩・後輩対決」がワールドシリーズで実現も?

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アストロズ・菊池雄星、ドジャース・大谷翔平(写真=GettyImages)
 メジャーリーグは、レギュラーシーズン閉幕まで約3週間。各チームの残り試合数はすでに20試合を切っている。

 来週以降に順次、各地区の優勝争いが決着をはじめだろう。ただし、ワイルドカード争いを含めれば、プレーオフに進出する12チームが決まるのは、レギュラーシーズン最終日の今月29日(日本時間30日)にもつれ込んでもおかしくない。

 そこで、現時点で日本人選手が所属する各チームの“ポストシーズン進出確率”を紹介しておきたい(現地9日時点)。

 用いるのは米データサイト『FanGraphs』の「MLBプレーオフオッズ」の数値だ。同サイトではプレーオフ進出確率だけでなく、地区シリーズを勝ち上がる確率や、ワールドシリーズ制覇の確率などもはじき出している。ここではプレーオフ進出確率が高いチームから順に並べてみた。


▼ ドジャース(大谷翔平、山本由伸) ポストシーズン進出確率100.0%(以下同)

 両リーグで唯一の勝率6割台を維持していたドジャースだが、9日のカブス戦に敗れたため、勝率は5割台に逆戻り。同じナ・リーグのフィリーズに勝率で並ばれてしまった。

 それでもナ・リーグ西地区で、2位パドレスに5.5ゲーム差をつけており、3年連続地区制覇はほぼ間違いないだろう。世界一に輝く確率も18.8%で、両リーグ1位に推されている。

 そのドジャースをけん引するのはもちろん大谷翔平だ。「50-50」を一日も早く決めて、雑音を振り払い自身初のポストシーズンに備えたいところ。一方で、投手陣は山本由伸の復活が欠かせない。山本は10日のカブス戦で約3か月ぶりの実戦復帰を果たすが、今季11勝のギャビン・ストーンと、9勝のタイラー・グラスノーがそろって負傷者リスト(IL)入りしており、いきなりエースとしての働きが求められそうだ。


▼ アストロズ(菊池雄星) 97.5%

 ナ・リーグの雄がドジャースなら、ア・リーグの雄はアストロズで間違いないだろう。今季は春先こそマリナーズにセーフティーリードを奪われていたが、徐々に本領を発揮し、4年連続の地区優勝に向けて突き進んでいる。

 プレーオフでカギを握りそうなのが、7月下旬にブルージェイズから移籍してきた菊池雄星だろう。アストロズでは7試合に投げて4勝0敗、防御率3.07と抜群の安定感を発揮。菊池の登板試合では不敗神話も継続中で、ファンの声援も試合ごとに増している印象だ。

 リーグ優勝の確率はヤンキースに次ぐ2位となっているが、プレーオフの戦い方を熟知する選手が多いのはアストロズの方。菊池雄星と大谷翔平による「先輩・後輩対決」がワールドシリーズで見られる可能性は決して低くないだろう。


▼ パドレス(ダルビッシュ有、松井裕樹) 92.8%

 ドジャースを破ってナ・リーグ西地区の頂を目指すのは、ダルビッシュ有と松井裕樹がいるパドレスだ。プレーオフ進出確率は92.8%と高いが、3つの枠を巡るワイルドカード争いでは2.5ゲーム差以内に4チームがひしめいており、黒星がかさむようなら、その確率が急減する恐れもある。

 もしパドレスのプレーオフ進出が叶えば、日本人投手の2人も大事な試合、大事な場面でマウンドに上がることになるだろう。


▼ メッツ(千賀滉大) 59.5%

 ナ・リーグ東地区は首位を走るフィリーズを、2位メッツが7ゲーム差で追う展開。地区優勝は厳しくなったが、ワイルドカードの3枠目を確保している。同地区のブレーブスにパドレス、ダイヤモンドバックを加えた4チームによる争いが最後まで続きそうだ。

 昨季12勝を挙げた千賀は、今季メジャーで1試合に投げただけ。その試合で左ふくらはぎを負傷し、今季絶望の悪夢も脳裏をよぎった。しかし、すでにブルペン入りをしており、レギュラーシーズン最終盤にリリーフで復帰する可能性も出てきた。もしチームがプレーオフに進出すれば、千賀が試合終盤に重要な役割を担ってもおかしくない。


▼ レッドソックス(吉田正尚) 11.3%

 レッドソックスは何とか勝率5割を維持しているが、地区首位のヤンキースには10ゲーム差をつけられている。また、ワイルドカード争いでは、3枠目のツインズと3ゲーム差。逆転するには、大型連勝が欲しいところだろう。

 吉田正尚は一時期、打率3割に近づいたが、現在は.284まで落ち込んでいる。左投手が先発の試合ではスタメンを外れることがほとんどだが、右投手相手に何とかアピールを続けたい。


▼ タイガース(前田健太) 8.9%

 タイガースは、レッドソックスと全く同じ73勝71敗。ただ勢いという点では7月以降に36勝25敗と大きく勝ち越しているタイガースに分があるといえそうだ。

 前田健太は救援に配置転換されてから、防御率3.58とまずまずの成績を残している。ロングリリーフもできる貴重なベテランが若手中心のチームを鼓舞できるか。


▼ カブス(鈴木誠也、今永昇太) 0.9%
 
  カブスは8月だけで10個(18勝8敗)の貯金をつくったが、9月に入ってからやや失速。それでも、ヤンキースとドジャースに連勝し、月間成績を4勝4敗の五分とした。ワイルドカード3枠目のメッツと5ゲーム差なら、一発逆転も視野に入っているだろう。

 投打でカブスを引っ張るのは日本人の2人。2年連続20本塁打にリーチをかけている鈴木誠也は、3番打者として打線をけん引してきた。今永昇太は、勝利数、防御率、奪三振数が全てチームトップ。絶対的なエースとして、残り登板試合も全てチームを勝利に導きたい。


文=八木遊(やぎ・ゆう)

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