コラム

22年ぶりのWS制覇へ、ブルージェイズを明るさで引っ張る川崎宗則

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ブルージェイズの川崎宗則[Getty Images]
川崎宗則,

メジャー4年目で最低の成績も、明るいキャラクターで欠かせない戦力に


 9月30日、トロント・ブルージェイズが、ボルティモア・オリオールズとのダブルヘッダー第1試合に勝ち、1993年以来22年ぶりのアメリカン・リーグ東地区優勝を決めた。7月28日には首位ニューヨーク・ヤンキースに最大8ゲーム差をつけられていたが、トレード期限ギリギリに大型補強を敢行。8月以降は39勝18敗の快進撃で、北米プロスポーツ史上最もポストシーズンから遠ざかっていた球団が、激戦の東地区を制した。

 ブルージェイズでは3年目、メジャーでは4年目を迎えた川崎宗則にとって、メジャー初の地区優勝、プレーオフ進出となった。23試合の出場で打率.214、2打点という成績はメジャー生活で最低だが、明るいキャラクターで地元での人気も高い。球団幹部が「川崎は全試合に同行させる」と明言したとも伝えられ、チームにとって欠かせない戦力となっているようだ。

 メジャーには、公式戦に出場できる資格を持つ枠が2種類ある。公式戦に出場できる25人の選手枠。そして、メジャー各球団が支配下に置く40人の選手枠。

 レギュラーシーズン開幕から8月31日までの公式戦は25人枠が出場選手枠、日本でいうならば一軍登録となる。40人枠に入りながらも25人枠に入れない選手は、マイナーリーグの試合に出場しながら25人枠の選手との入れ替えを待つことになる。川崎は40人枠に入りながらも25人枠にはなかなか入れず、メジャーとマイナーを行ったり来たりした。9月2日に今季5度目のメジャー昇格を果たし、歓喜の輪に加わることができた。


今季から変わったプレーオフの出場資格


 ただし、川崎が9月にメジャー昇格したのは、25人枠に入ったからではない。メジャーでは9月1日以降になると、公式戦の出場枠が40人にまで広がる。前述の40人枠に入っていれば、メジャーの試合に出場が可能になるわけだ。日本に例えれば、一軍登録枠が40人に広がると理解してもらっていい。

 昨季までは、8月31日時点で25人枠に入っていなければ、プレーオフ出場の資格は原則的になかったが、今季から40人枠に入っていれば、9月1日以降にマイナーから昇格してもプレーオフの出場資格を得られるようになった。つまり、昨季までなら川崎はプレーオフに出場できなかったが、今季は出場できるというわけだ。
 
 現状、川崎がプレーオフの試合に出場する可能性は高くない。しかし、激戦のプレーオフを勝ち抜くには盛り上げ役も必要だ。数字には表れない戦力として川崎はブルージェイズの大きな武器となるし、出場したときは何かやってくれそうな雰囲気もある。

 ポストシーズンなどの大舞台で活躍する選手をお祭り男、ラッキーボーイと呼ぶことがある。メジャーで最も明るい選手、川崎はプレーオフでお祭り男になれるか、注目だ。

文=京都純典(みやこ・すみのり)
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