コラム 2015.12.30. 09:00

ナ・リーグ支えた“非エリート2人”の殿堂入りは?

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殿堂入りが期待されるマイク・ピアザ氏[Getty images]
ピアザ,

野茂の女房役も殿堂入り候補


 2016年の野球殿堂入りを決める全米野球記者協会の投票結果が、1月6日に発表される。通算630本塁打のケン・グリフィー・ジュニアの資格取得1年目での選出が確実視される中、2人目、3人目の同時選出があるのかにも注目が集まる。

 1995年に野茂英雄がトルネード旋風を巻き起こし、日本ではメジャーリーグファンが激増した。その野茂の女房役だったのが、今回資格取得4年目で殿堂入りを狙うマイク・ピアザだ。捕手としてメジャー史上最強の打撃力を誇ったともいわれ、日本でも、そのパワフルな打撃と特徴のある風貌で人気を博した。

しかしプロ入り前のピアザは決してエリート街道を歩んできた選手ではなかった。1988年に62巡目(このドラフトで指名された1433人中1390人目)という低い評価でドジャースにドラフトされたが、ピアザの父親とドジャースのトミー・ラソーダ監督(当時)が親友だったため、“縁故指名”だったというのだから人生は本当に分からない。

 資格取得1年目の2013年から57.8%→62.2%→69.9%と着実に得票率を上げており、4年目での殿堂入り(75%以上)はほぼ確実と言われている。ただし、今回選出されなかった場合は、2017年の殿堂入り候補に同じ捕手で“ライバル”のイバン・ロドリゲスが名を連ねており、票割れする可能性が高い。

 ピアザは現役最終年となった2007年にアスレチックスでプレーしたが、それ以外の15年間はナ・リーグのチームに所属していた。早い段階で指名打者制のあるア・リーグのチームに移っていれば、打者としてより長く活躍できていたのかもしれない。

 もう一人の有力候補は、メジャー通算18年間をナ・リーグ一筋で過ごしたトレバー・ホフマンだ。左足を高く蹴り上げる独特のフォームから、直球と落差の大きいチェンジアップを投げ分け、通算601セーブを挙げた。

 1989年のドラフトでレッズに11巡目で指名され、マイナーでは遊撃手と三塁手を務めたが、芽が出ず1991年に投手に転向。これが吉と出て、1993年にマーリンズでメジャーデビューを果たすとメジャー屈指のリリーバーに成長した。

 同時期に活躍し、史上最多の652セーブを記録したマリアノ・リベラは常勝ヤンキース一筋で19年を過ごしたが、チームは一度もシーズン負け越しを経験したことがなかった。一方、ホフマンは18年間のキャリアで所属チームがシーズン勝ち越しを果たしたのは僅かに6回。もしこの2人の所属チームが逆だったなら…、という“たられば”を語り始めるときりがないが、メジャー史上最も偉大なリリーバーであったことに違いはない。
 
 リリーフ投手の殿堂入りはまだ前例が少なく、今回のホフマンの得票率がリリーバーの殿堂入りへの評価基準となりそうだ。打者と投手という違いはあるが、長年ナ・リーグを支えた2人がグリフィーとともに殿堂入りを果たす可能性は高い。

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