兄妹で目指すW首位打者
2016年元旦。「今年こそは兄妹そろって首位打者になろう」。そう誓い合った兄弟がいた。兄・ヤクルト川端慎吾、妹・埼玉アストライア川端友紀。地元大阪府貝塚市で、2人で2016年度初練習を行い、そう誓った。
兄・慎吾は昨年リーグ優勝の立役者となるシーズン最多195安打の活躍で、見事首位打者のタイトルを獲得。一方、妹友紀はリーグ優勝を逃し、兵庫ディオーネの大山に2分8厘届かず、首位打者も獲り逃した。幼いころから、自宅前で野球の練習をしてきた2人にとって、男女の壁はあるが、兄妹揃っての「首位打者」こそ、長年求め続けてきた夢だった。
遺伝だろうか?打撃フォームもスタイルも本当に良く似ている。兄・慎吾のように、友紀も実に野球センスがいい。ミートの上手さ、タイミングの取り方、流し打ちの技術力。パワーの差こそあるものの「こと野球センスだけで言えば、妹の方が上」という声もある。また、打撃時における「悪い癖」も一緒。追い込まれた際に、当てにいくような打撃が2人の課題だったが、互いに話し合い、互いに修正を行った。
1月には松山でヤクルトの山田哲人ら数名の選手と共に自主トレを行った。「山田選手のスイングスピードには驚きました」と話す友紀だが、この自主トレでもコーチングを受けたのは山田ではなく、兄・慎吾。ほぼマンツーマンで、打撃から守備まで徹底的に教わったそうだ。
昨年も同じ目標を掲げ臨んだが、結果は兄の1人勝ち。「今年こそはチームの優勝、そして首位打者を獲ります。兄も2年連続優勝・首位打者を獲ると断言しましたし、来年の元旦には2人そろって笑っていたい」と友紀。兄妹W首位打者、この文字、が今シーズン終了後に新聞を飾る文字であることを見届けよう。