“戦国”東都の投打の目玉
群雄割拠の東都。実力がないと成績を残せない激戦のリーグ。そんな“戦国”東都で、今秋ドラフト注目の選手とは…。
まず挙げたいのが、立正大の黒木優太。立正大は現在2部の所属であるが、黒木の評価はうなぎ登りだ。
MAX152キロという球速もそうだが、カーブにフォーク、スライダー、チェンジアップを投げ分ける完成度の高さがウリ。プロも注目の逸材である。
2部リーグで通算12勝、防御率は1.90と安定した成績。神奈川・橘学苑高時代には、遊撃手としてシュアな打撃も披露しており、身体能力の高さは実証済み。ここから秋までにどんな成長を見せてくれるのか楽しみだ。
一方で、野手の目玉といえば東洋大の笹川晃平が挙がる。
今春から1部へ復帰する東洋大において、笹川は2年春に打率.419で首位打者を獲得するなど、確実なバッティングでチームの中心として活躍してきた。
今春のリーグ戦では、「20安打以上打って、首位打者を取りたい」と鼻息を荒くする。
複数のプロ野球スカウトが熱視線を送っており、「プロ向き。ある程度はプロでもやれるのではないか」と話すなど、ドラフト上位で指名される可能性も高い。
米国生まれの大型遊撃手に熱視線
中央大にも逸材がいる。大型遊撃手として期待される松田進だ。
米国生まれの松田は、2歳の頃に来日。国学院久我山高校から中大へと進学した。
187センチで82キロという恵まれた体格を生かし、2年秋に3年春と2季連続でベストナインに選ばれるなど活躍。プロの注目を集めている。
そのプレースタイルから“井口2世”(資仁/ロッテ)とも囁かれており、本人も「プロへ行きたい。ショートで勝負したい。そのためには下半身強化に取り組まないといけない」と意識の高さを見せている。
亜細亜大の照屋光も、プロで化ける可能性を秘めた選手の一人だ。
これまでリーグ戦での目立った実績はないものの、最速151キロをマークするなど、スリークォーターから投げ下ろす直球は威力十分。スライダー、カーブ、フォークも投げ分け、高いポテンシャルを誇る。
沖縄・浦添商時代には甲子園に出場。当時から148キロの快速球を投げ、プロも熱視線を送った。4年間の進化を見せることができるか、今秋のドラフトに注目だ。
“隠し玉”候補も…
その他にも面白い存在がひしめく東都。中でも大正大の田中寛人は覚えておきたい存在だ。
所属は3部リーグであるものの、通算防御率は1.97と安定感が光る。MAX144キロの直球とスライダー、フォークを武器に、スリークォーターから投げ下ろす球はすでにプロ級との声も。
「初めて見たけど、すごいね。140キロははるかに超えている。これからしっかり見ていきたい」とゾッコンしたのはとある在阪球団のスカウト。3部所属の本格派右腕が、秋のドラフトを盛り上げる可能性も大いにある。
日本大の京田陽太は、184センチ、78キロと恵まれた体格を誇る大型遊撃手。打順は3番で、遠投100メートルという強肩も魅力。3年春には打率.407をマークした。
複数のプロスカウトが注目しており、あるスカウトは「プロでもすぐに通用する。遊撃を補強ポイントにしているチームならば1位指名もありえる」と断言した。
東都大学野球は1部だけでなく、2部、3部、4部と下部リーグもある。最下位になれば即入れ替え戦へとまわり、下部へ落ちる可能性がある厳しい戦いだ。
近年は東京六大学を食う勢いでプロ野球選手を輩出し、また成功を収めている選手も多い。“戦国”東都から何人の選手がプロの門をたたくのか。今秋のドラフトも“東都勢”から目が離せない。