西武のドラ6ルーキーが話題に...
昨秋のドラフト会議で、上位指名の選手たちに負けない話題を集めたドラフト6位の投手がいる。東北学院大のピッチャーで、西武から指名を受けた本田圭佑だ。
本田圭佑といえば、イタリア・セリエAの強豪クラブであるACミランに所属し、日本代表でも主力として活躍するサッカー選手の方が真っ先に浮かぶ。
サッカーの本田はフリーキックの時に蹴る無回転シュートが有名だが、野球の本田はそれにあやかって「無回転チェンジアップ」を操るとも報じられた。
また、新人恒例・1月の入寮の際には、仲間からの寄せ書きが書かれた本田圭佑のサッカー日本代表レプリカユニフォームを着て報道陣の前に登場。同姓同名のサッカー選手にあやかり、注目を集めた。
これから一軍で活躍し、ヒーローインタビューを受ける時には、本家顔負けの秀逸なコメントを期待する声も多い。
実は結構いる著名人と“同姓同名”の選手
現役選手で著名人と同姓同名と言えば、ロッテの鈴木大地がそうだ。
若くしてチームのキャプテンを任されるなど、そのリーダシップに定評のある鈴木だが、くしくも昨年新設されたスポーツ庁初代長官となった鈴木大地氏と同姓同名だ。
多くの人にとって、鈴木大地スポーツ庁長官のイメージは「水泳選手」だろう。
1988年のソウル五輪では100メートル背泳ぎに出場。スタートからしばらく潜水する「バサロ泳法」を武器に金メダルを獲得した。
その翌年、1989年にロッテの鈴木大地が誕生する。ソウル五輪で活躍した鈴木選手の姿にあやかって、「大地」と名づけられたそうだ。
奇しくも、鈴木長官は千葉県の出身。ロッテの本拠地が千葉なだけに、“鈴木大地”によるコラボレーションもあり得るかもしれない。
数年前に話題となったのは、「宮崎駿」だ。
2012年の育成ドラフトでソフトバンクから4位指名を受けた三重中京大出身の選手であるが、世界的有名なアニメーション監督と同姓同名ということで脚光を浴びた。
しかし、巨大戦力の中で支配下登録を掴むことはできず…。昨シーズン戦力外通告を受け、プロ野球生活にピリオドを打っている。
過去の“同姓同名”選手を振り返る
過去の著名人と同姓同名のプロ野球選手を振り返ってみよう。
東映フライヤーズ(現日本ハム)には、剛速球投手として活躍した尾崎行雄というピッチャーがいた。
大阪・浪商高2年時に夏の甲子園で優勝すると、そのまま中退してプロ入り。プロ1年目の1962年には20勝を挙げて新人王を獲得している。
その尾崎と同姓同名なのは、明治から大正、昭和に渡って衆議院議員を務めた政治家・尾崎行雄。その長きに渡る功績から「憲政の神様」と言われている人物だ。
また、1970年代にロッテで活躍した長谷川一夫は、戦前から時代劇スターとして活躍し、NHKの大河ドラマ「赤穂浪士」で主演した長谷川一夫と同姓同名。俳優の長谷川一夫は死後、国民栄誉賞を受賞している。
1990年に鹿児島・喜界高から広島にドラフト3位で指名されたのは、高橋英樹。ドラマ「桃太郎侍」で有名な俳優・高橋英樹と同姓同名ということで、こちらも話題を呼んだ。
さらに、同音異字の同姓同名では、広島などでプレーした「木村拓也」と国民的グループ・SMAPのメンバー「木村拓哉」が思い出される。先に脚光を浴びたのはSMAPの木村拓哉だったが、木村拓也も広島時代の2000年にレギュラーへ定着。その名前から「球界のキムタク」とも呼ばれた。
ちなみに、この2人は同じ1972年の生まれ。そんな縁もあって2002年にはフジテレビ系「SMAP×SMAP」の特別編「同学年」で対面し、親交を深めた。
最近では名前の“流行り”もあり、阿部「慎之助」や大谷「翔平」にあやかって同名にする子供たちが多いと聞く。今後も“同姓同名”の選手は出続けるのだろう。