コラム

ドラフト上位候補もまさかの指名漏れ…谷田がプロ入りできなかった理由とは

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大学時代には大学JAPANにも選出されたことのある谷田成吾

ドラフト上位候補もまさかの指名漏れ


 昨秋のドラフト会議では、高山俊外野手(明大→阪神1位)、桜井俊貴投手(立命大→巨人1位)、小笠原慎之介投手(東海大相模高校→中日1位)、オコエ瑠偉外野手(関東一高→楽天1位)ら、実力者が順当に指名を受け、プロ入りを果たした。

 一方で、ドラフト指名が確実と言われながら、指名されなかった選手もいた。もっとも意外でビックリしたのが、慶大の谷田成吾外野手が指名されなかったこと。今季から巨人の新監督になった高橋由伸と同じ慶大のスラッガーで、「ヨシノブ2世」との呼び声も高かった。あるスカウトは「プロでも十分に通用する。あの飛距離は魅力的だよ」と話していたのに、なぜ指名されなかったのか。

 在阪のスカウトが適切な答えを出してくれた。「右投左打のバッターは今では普通。左打者なら、谷田以上の選手はいる。12球団は右打者のスラッガーを探していて、もし谷田が右打者なら確実に1位で指名されていたのではないか」。

 なるほど、その年によって、右打者なのか左打者なのか、各球団は補強ポイントを決めるのだが、今季に関しては左より右を補強ポイントにしていたということか。谷田にとっては、不運だ。

 本人ももちろん、周囲もドラフト指名、そして1位指名が確実と思っていた。慶応高校では通算76本塁打。1年から4番。3年春には神奈川県大会優勝。甲子園出場はなかったが、強打をひっさげ慶大へ進学。

 1年春から主力選出として活躍。2年秋からは3季連続で打率3割を越えた。主に3番打者として慶大打線を引っ張り、通算15本塁打をマークした。これは東京六大学野球史上12位(史上1位は高橋由伸で23本塁打)。それでもプロ入りはかなわなかった。

社会人の名門JX-ENEOSに入部


 谷田は、今では悪夢の指名漏れから立ち直り、社会人野球の名門、JX-ENEOSの野球部入り。慶大時代の背番号24をそのまま付け、1年目から期待されている。JX-ENEOSは、旧日本石油。日石野球部といえば、かつては巨人で大活躍した故・藤田元司投手、大洋で活躍した「かみそりシュート」の平松政次投手らプロにも多くの選手を輩出。

 優勝11度を誇る社会人野球の名門だ。谷田自身も、プロ入りをあきらめてはおらず「2年後、17年のドラフトで指名していただけるように、がんばります」と前を向く。ヨシノブ2世と呼ばれていることにも「高橋先輩に少しでも近づけるように自分を磨きます」と明るく話した。

 それにしても、谷田の指名漏れは、多方面に影響があった。プロ入りに絞っていた谷田は、ドラフト直後から“就職活動”。JX-ENEOSに入社したのだが、社会人チームから10社以上の問い合わせがあったという。

 慶大の同期、山本泰寛内野手は巨人5位、横尾俊建内野手は日本ハム6位で指名された。谷田よりもプロの評価が低いと思われた2人が指名され、谷田が指名漏れ。これには慶大の大久保秀昭監督もショックを隠しきれなかったという。

 3年後、谷田がプロの門をたたくときがきたら、この慶応トリオでプロ野球を盛り上げてほしいところだ。
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