コラム 2014.08.10. 10:56

夏の甲子園 連続出場校、初出場校の行方を数字で占う

 8月11日の開幕を予定している『第96回全国高校野球選手権大会』。台風11号の影響で、史上初めて開幕が二日間ずれ込むアクシデントに見舞われているが、今年も熱く激しい戦いが繰り広げられることだろう。

 本コラムでは、2011年から13年までの過去3大会について数字で検証する。今回は春夏連続出場校、2年以上の連続出場校、そして甲子園初出場校の成績を検証する。


やはり強い『春夏連続出場』 龍谷大平安が優勝候補筆頭か


 まず、例年平均10校程度がそろう同じ年の春夏連続出場の高校だが、今大会は8校が選抜に続き出場する。過去3大会は通算54勝30敗(勝率.643)と、やはり春の経験を存分に生かしていることが分かる。さらに選抜ベスト4以上の高校に絞ると、16勝4敗と勝率が一気に8割まで跳ね上がる。今大会は選抜覇者の龍谷大平安のみがこれに該当。開幕戦にいきなり登場する同校にやはり注目が集まるだろう。

 続いて夏の大会に2年以上連続で出場している高校の勝率はどうか。

 過去3大会では37勝30敗(勝率.552)と春夏連続出場校よりも勝率は劣るが、選手の入れ替わりを考慮すれば立派な成績と言えるだろう。ちなみに過去3大会の優勝校はいずれも「夏の連続出場校」ではなかったが、今大会該当する10校には作新学院、大阪桐蔭、明徳義塾、沖縄尚学などの優勝候補も含まれており、どうなるか注目だ。

 今大会は9校がそろった初出場校はどうだろうか。2011年大会では2勝9敗、12年大会は5勝12敗と苦戦していたが、13年大会は前橋育英の優勝もあって12勝9敗と勝ち越した。3大会の通算勝率は.410。しかし春夏を通じての初出場校のみに絞ると通算8勝20敗で勝率は.286まで落ちてしまう。やはり、初陣で全国1勝を成し遂げるのは、厳しいチャレンジだということだろうか。

 最後に優勝争いの行方だが、過去3大会で決勝に進出した6校のうち、5校に共通点があった。それは大会初戦を「8得点以上」もしくは「完封」のどちらかで勝利していたことだ。唯一該当しなかったは昨年準優勝校の延岡学園だが、次戦で10対0の圧勝を収めており、優勝争い(決勝進出)をするためには「爆発力のある打線」か「完封能力のある投手陣」が必須ということだろう。しかも短期決戦の甲子園では、大会の早い段階でアクセルを全開にする必要がありそうだ。
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