MLBの2010年代はすでに32回を記録!
シカゴ・カブスのジェーク・アリエッタが4月21日、シンシナティ・レッズ戦でノーヒットノーランを達成した。MLBでは相手を無安打に抑えながらも失点し、試合に負けた場合でもノーヒットゲームとして記録されるが、それを含めればMLB史上295回目のノーヒットゲームとなる。
アリエッタは昨年8月30日のロサンゼルス・ドジャース戦でもノーヒットノーランを達成していて、これで自身2度目の快挙だ。1900年以降、MLBでノーヒットノーランを複数回達成したのはアリエッタで29人目。前回から10試合目での達成は史上3番目の早さだった。
2006年以降、MLBでは毎年1回はノーヒットノーランが達成されているが、近年はとくに多い。1950年以降、10年ごとの達成回数は以下の通り。
1950年代 18回
1960年代 34回
1970年代 31回
1980年代 13回
1990年代 31回
2000年代 15回
また、2010年代はすでに32回もノーヒッターが生まれている。このペースでいけば、10年区切りでの最多記録を更新するのは間違いないだろう。2012年と2015年は1シーズンで7回も大記録が生まれたが、1900年以降の近代野球では1990年、1991年と並び1シーズンでの最多記録だ。
前田健太はMLBでも大記録達成なるか!?
日本人メジャーリーガーでは過去ふたりがノーヒットノーランを達成している。改めて言うまでもないだろうが、日本人メジャーリーガー最初のノーヒッターは野茂英雄で、ロサンゼルス・ドジャース時代の1996年9月17日にコロラド・ロッキーズ戦で達成した。
野茂はボストン・レッドソックスに移籍した後、2001年4月4日のボルチモア・オリオールズ戦でもノーヒットノーランを達成し、史上4人目(当時)の両リーグでのノーヒッターとなった。
岩隈久志が、昨年8月12日のボルチモア・オリオールズ戦でノーヒットノーランを達成したのはまだ記憶に新しい。あとひとりで逃したのはテキサス・レンジャーズのダルビッシュ有だ。2013年4月2日のヒューストン・アストロズ戦はあとひとりで完全試合を逃し、2014年5月9日のボストン・レッドソックス戦ではあとひとりでノーヒットノーランを逃した。MLB史上3人目となる9回2アウトからノーヒットノーランを2度以上逃した投手となった。
さて、次にノーヒットノーランを達成する日本人メジャーリーガーは誰だろうか。今年からMLBで投げているドジャースの前田健太は、広島時代の2012年4月6日、DeNA戦でノーヒットノーランを達成している。もしMLBでも達成となれば、史上初めてNPB、MLB両リーグでの達成となる。MLBでノーヒッターを最も多く達成している球団はドジャースで26回だが、果たして前田はそこに名を刻むことができるだろうか。
前田は、MLBデビュー以降4試合に登板し25回1/3で1失点しか喫していない(2016年4月25日終了時点)。多くの日本人投手がMLBに適応するまで苦労したが、前田にはそういった面があまり見られない。これから暖かくなるにつれ、前田の調子もより上がるはずだ。史上初の両リーグ達成を大いに期待したい。
文=京都純典(みやこ・すみのり)