青木、打率.205と低迷
マリナーズの青木宣親が不振にあえいでいる。今季ここまで打率は.205、出塁率は.271とリードオフマンとしての役割を担い切れていない。打率ランキングは規定打席に達しているメジャー全198選手中170位とこのままでは指定席の“1番”はく奪の可能性も浮上しそうだ。
打率が上がらない一因に複数安打試合の少なさがあげられる。先発出場した19試合の安打数内訳は無安打が6試合、1安打が11試合、2安打は2試合のみである。昨季は4月だけで9試合の複数安打があったことを考えれば、今季の不振ぶりがわかるだろう。
しかし一言で打撃不振と言ってしまっていいのだろうか。実は昨季の6月と8月に足と頭部にそれぞれ死球を受け、今季はその後遺症が心配されていた。去年7月にいったん戦列に復帰したが、復帰後の打率は.204と今季の現時点の打率とほぼ同じ。やはり去年の2度の死球が心理的に悪影響を及ぼしているのかもしれない。
今季の青木はとにかく選球眼が良くない。ここ3試合で4つの四球を選んではいるものの、四球と三振の比率は昨季の1.20(30四球/25三振)から今季は0.50(6/12)まで落ち込んでいる。三振率、四球率に加え、ボールゾーンスイング率やコンタクト率も自己ワーストの数字が並ぶ。しかしスイング率はメジャー移籍後最も高く、積極的に振りにいっているが、ボール球に手を出すことが多く、結果が伴っていない状況だ。
4月の月間打率.250以下は1度だけ
今季、青木は節目のメジャー5年目を迎えたが、4月の月間打率が.250以下のスロースタートだった年は、2年目の2013年4月の1度だけ。その月、先発した24試合で複数安打はわずかに4試合。5月1日の試合でスタメンを外され、代打で1打数ノーヒットに終わり、打率は.247まで落ち込んだが、休養が功を奏したのか翌日から3試合連続複数を放つなど復調。その年の5月の打率は.343と見事に不振脱却に成功した。
青木は27日のアストロズ戦で今季初めて出場機会がなかったが、3年前と同じように休養を機に上昇気流に乗ることができるだろうか。“代役1番”を務めたマルテが3安打と存在感を示し、青木の尻にもそろそろ火がつくはず。29日からはロイヤルズとの3連戦を迎える。2日間の休養を経て、古巣を相手に本領発揮といきたいところだ。
(※データはすべて現地時間27日現在)
文=八木遊(やぎ・ゆう)