注目の“無敗対決”はこのあとすぐ!
スポーツ界でよく聞くフレーズの一つに「●●対決」というのがある。「エース対決」や「親子対決」、「新旧対決」、「ライバル対決」などなど...。その中でも最も“アツい”フレーズの一つが、「無敗対決(全勝対決)」ではないだろうか。
今年のスポーツ界でも、今月行われた大相撲夏場所の13日目に横綱・白鵬と大関・稀勢の里が“無敗”で激突。競馬界では、3月の弥生賞でリオンディーズvsマカヒキ、4月のクラシック第1弾・皐月賞ではサトノダイヤモンドvsマカヒキなどといった“無敗対決”が繰り広げられた。
ちなみに、日本のプロ野球界でも今月3日と17日にソフトバンクのバンデンハークと日本ハム・有原航平が無敗の状態で2度にわたり投げ合っている。
2人合わせて16戦16勝!不敗神話を継続するのは…
現在メジャーリーグで5勝以上を挙げており、かつ黒星がついていない投手というと5人いる。そして、そのうちの2人が現地時間24日の試合で投げ合うことになった。
ア・リーグ中地区の首位を走るホワイトソックス。好調なチームをけん引するのが、エースのクリス・セールだ。
2012年から4年連続でオールスターに選出。昨季はア・リーグ奪三振王のタイトルも獲得している。今季はここまで9試合に投げて9勝0敗、防御率1.58。最近2試合はいずれも1失点完投と、その勢いはとどまるところをしらない。
快進撃を続ける左腕の連勝を止めにかかるのが、地区2位につけるインディアンスのジョシュ・トムリン。今季は7試合に投げて6勝0敗、防御率3.56はセールと比べると若干見劣りもするが、先発した試合すべてでチームに勝利をもたらしているという点では同じだ。
知名度でもセールに劣るトムリンは、メジャーデビュー2年目の2011年に11勝を挙げたが、その後は5勝→0勝→6勝→7勝と伸び悩み、今季も開幕はケガで出遅れた。しかし、故障者リストから復帰して以降は打線の援護もあって順調に白星を伸ばしている。
トムリンの最大の武器といえば精密なコントロール。2014年以降、212回と2/3を投げて与えた四球はわずかに27個(9イニング当たり1.14)。同期間の被本塁打は39本あり、四球数のほうが圧倒的に少ないという稀な投手の一人なのだ。
2人が投げ合うことで、一方のチームの“不敗神話”は継続され、一方のそれは途切れることになる。果たして投げ勝つのはメジャー屈指の左腕セールか、それとも伏兵トムリンか…。地区優勝争いにもつながる重要な一戦に要注目だ。
文=文=八木遊(やぎ・ゆう)