今年もDeNA戦で打率.636と打ちまくった中村
今季もセ・パ交流戦が開幕した。どのチームの首脳陣も、それぞれのリーグで抜け出すために、交流戦を有利に進めたい思惑を持っているだろう。そのためには、頼れる打者、投手が必要だ。
中村自身、開幕直後の3、4月はあまりホームランが出ず、夏に向けて調子を上げていくタイプ。今季も3、4月で本塁打はたったの2本だ。だが、5月には9本と量産体制に入ってきている。
ここ4年間(中村は2013年ケガのため交流戦を欠場。実質3年分)のチーム別の成績を見てみると、DeNA戦は10本塁打とお得意さま。実際に今年の5月31日からの横浜3連戦では、本塁打こそ出なかったものの11打数7安打.636と打ちまくり、後ろを打つ5番・浅村栄斗のグランドスラムを演出した。チームも投手陣が踏ん張り、好調DeNA相手に2勝1敗と勝ち越しを決めた。
DH制のない6連戦がポイントに?
過去6度本塁打王を獲得した中村だが、ここ数年、意識が変わったのか「本塁打より打点」という発言をすることが多くなった。そうなると、次に狙われるチームはヤクルトになるのかもしれない。ヤクルトは4年間の対戦成績で11試合16打点とDeNAについで荒稼ぎをされている。そのうえ、ヤクルトのチーム防御率は現時点でも5.09とセリーグワーストだ。
気がかりなのは、中村が今季5月中旬から下半身に張りを訴え、DHでの出場を続けていることだろう。5月30日の対オリックス戦で逆転3ランを放った試合でも、打撃で貢献したいというコメントを残している。さらに6月3日、甲子園での阪神戦、チームは勝ったもののDHのないセ・リーグ本拠地の試合で中村は試合に出場せず完全休養を取った。続く4日は、7回表無死一塁、二塁のチャンスに代打で登場したが、メッセンジャーの前に空振り三振に倒れ、守備につくことなく交代した。それでも、5日の阪神戦では延長12回に代打で登場すると、その裏、5月13日の日本ハム戦以来となる三塁の守備に就いた。
スケジュール的には、6月14日からの広島とヤクルトを相手にする6連戦にはDH制がない。それまでにどうにか、中村が守れるほどに復活していれば西武には好材料になるだろう。
現在は投打が噛み合わずBクラスに沈む西武だが、4番が打てばチームは当然活気づく。西武の浮上のキッカケは“交流戦男”おかわり君のバットに懸かっている。
※数字は2016年6月5日終了時点
文=松本祐貴(まつもと・ゆうき)