パ・リーグでは史上初の通算200ホールド
日本ハムの宮西尚生が5月14日西武戦の7回に登板し1イニングを無失点に抑え、プロ通算200ホールドを達成した。通算200ホールドは山口鉄也(巨人)に次いで2人目。パ・リーグでは初の快挙だ。
宮西は2007年大学生・社会人ドラフト3巡目で関西学院大から日本ハムに入団。ルーキーイヤーの2008年3月25日の西武戦でプロ初登板を果たすと、その後はリリーフ一筋のプロ野球人生を送っている。ルーキーイヤーから昨季まで8年連続50試合以上登板と、NPB歴代最多の通算ホールド数206(2016年6月14日現在)を挙げている山口とともに球界屈指の左腕リリーバーだ。
山口はこれまでの通算防御率が2.24、宮西は2.43と防御率という点では山口のほうがいい成績を収めている。しかし、防御率3.00以上だったシーズンは山口が2007年、2010年、2014年の3回に対し、宮西はルーキーイヤーの2008年(4.37)の1回しかない。安定感という点では山口を凌ぐ成績を残している。
宮西は昨年の10月に左ひじのクリーニング及び神経移行術を受け、オフには自宅で転倒した際に右手の指を骨折。今季の開幕に間に合うか心配されたが、開幕直後の4月8日に一軍登録。ここまで21試合に登板し2勝0敗13ホールド、防御率1.23と結果を出している。
左打者に打たれた本塁打はたったの5本
近年、ツーシームやワンシームなど様々な球種を駆使する投手が多いなか、宮西は左の変則的なサイドハンドから140キロ前後の速球と120キロ後半のスライダーのほぼ2種類だけでプロの世界を歩んできた。
左腕リリーバーの仕事は、相手の左打者を抑えることなのは言うまでもない。宮西の対左打者の成績は以下の通りだ。
2008年 打数94 被打率.223 被本塁打2
2009年 打数77 被打率.221 被本塁打2
2010年 打数89 被打率.135 被本塁打0
2011年 打数91 被打率.220 被本塁打0
2012年 打数101 被打率.267 被本塁打0
2013年 打数95 被打率.179 被本塁打0
2014年 打数97 被打率.309 被本塁打1
2015年 打数74 被打率.162 被本塁打0
2016年 打数24 被打率.167 被本塁打0
左打者に打率3割以上打たれた年は2014年だけ。2割台前半か1割台に抑えたシーズンがほとんどだ。また、左打者と742打数対戦し、打たれた本塁打はたったの5本。2008年の松中信彦(ソフトバンク)、タフィ・ローズ(オリックス)、2009年の亀井義行、阿部慎之助(巨人)、2014年のキラ・カアイフエ(広島)に打たれただけである。
右打者に対しても、被打率が.300を超えたのは2008年と2013年の2回だけ。今季は右打者に対し被打率.136、左打者に対し.167と左右ともに抑えている。
通算500試合登板まで14試合と迫っている左キラーの宮西。左のリリーバーが少ない日本ハムにおいて、これからも貴重な存在でい続けるだろう。
文=京都純典(みやこ・すみのり)