ついにダルビッシュが復帰
レンジャーズのダルビッシュ有が、現地時間16日に行われるカブス戦で復帰。約5週間ぶりにメジャーのマウンドに戻ってくる。
トミー・ジョン手術から約1年間のリハビリを経て5月に復帰するも、3試合目の登板で右肩に張りを訴えて緊急降板。以降はメジャーのマウンドから遠ざかっていたが、この“5週間”という時間がチームにとって吉と出る可能性がある。
プレーオフで投げることが出来なかったストラスバーグ
2009年のドラフトで全体1位指名を受け、鳴り物入りでプロ入り。翌年にはマイナーで11試合に登板した後、6月に早くもメジャーデビューを果たす。しかし、その年の夏に右ひじを故障。トミー・ジョン手術を受け、1年間のリハビリを余儀なくされる。
ストラスバーグは2011年8月に復帰すると、2012年には15勝を挙げるなど完全復活。それでも、チームは右腕に“イニング制限”をかけていたため、その年のプレーオフには“エース抜き”で挑むという決断を下した。
その後、ナショナルズがディビジョンシリーズで敗退してしまっため、この決断をめぐって議論も巻き起こった。それでも、その後の
活躍ぶりに加え、今季も17試合で13勝負けなしという驚異的な成績を残していることを考えると、当時の判断は“英断”であったと言えるだろう。
“ポジティブな離脱”だったと振り返ることができるように...
では、あすメジャーのマウンドに復帰するダルビッシュの場合はどうなるか。
もしこのまま順調に登板を重ねていくと、レギュラーシーズン終了までには15試合前後の登板が予想される。そうすると、年間のイニング数はだいたい110回前後となるだろう。
トミー・ジョン手術明けということで、「150イニング」を超えた段階で制限をかける可能性が高い考えると、この“5週間の休み”を挟んだおかげで、投げられるイニング数に余裕が残る。ストラスバーグのように、「ここ一番で起用できない!」なんてことはなくなるのだ。
この“5週間”の離脱がなければ、レンジャーズが4年前のナショナルズと同じジレンマに陥っていた可能性だってある。まずはダルビッシュが肩、ひじの不安を一掃することが第一だが、今回の離脱は後のチームにポジティブな影響をもたらすかもしれない。
誰もが待ち望む完全復活へ向けて…。カブス戦での投球に注目が集まる。
文=八木遊(やぎ・ゆう)