“赤ちゃんケーキ”って...?
マイアミ・マーリンズ傘下の3A、ニューオリンズがチーム名を変更。これがアメリカで話題を呼んでいる。
これまでの「Zephyrs(ゼファーズ/そよ風)」に変わる、新たな愛称は「Baby Cakes(ベビーケークス/赤ちゃんケーキ)」。これがかなり物議を醸しているという。
ファン参加のネット投票によって新たな愛称が決まったというが、地元紙のオンライン調査によると、回答者の90.4%が新愛称を「好きではない」と答えている(日本時間17日14時時点)。果たして、“赤ちゃんケーキ”は地元に愛されるチームとなるだろうか...。
多種多様なチームの愛称
メジャーリーグには、ルーキーリーグから3Aまで実に150を超える傘下チームがあり、その愛称も様々なものが存在する。
最もポピュラーと言えるのが、日本でもおなじみの動物系だろう。「Hawks(ホークス/鷹)」や「Bulls(ブルズ/雄牛)」、「Bisons(バイソンズ/野牛)」、「Ironpigs(アイアンピッグス/鉄の豚)」といった強そうなものから、「Bees(ビーズ/蜂)」、「Fireflies(ファイヤーフライズ/蛍)」、「Chihuahuas(チワワズ/チワワ)」といった、どちらかというとかわいい系まで実に幅広い。
他にも「Jumbo Shrimps(ジャンボシュリンプス/巨大エビ)」といった魚介類系や、「Bisucuits(ビスケッツ/ビスケット)」など、食べ物系もいくつか。
さらにジョージア州のオーガスタにある「GreenJackets(グリーンジャケッツ)」は、もはや野球なのかゴルフなのかよくわからない。(※「グリーンジャケット」は、毎年4月にオーガスタで開催されるゴルフの4大大会のひとつ・マスターズトーナメントで優勝者した選手に贈られるもの)
日本でも二軍のチームに愛称を!
また、日本のプロ野球でも用いられているファイターズ(戦士)やマリーンズ(海兵隊)といった“人”を指す愛称も多い。
「Senators(セネターズ/上院議員)」といったかつてメジャーレベルでも存在した愛称もあれば、「Monsters(モンスターズ/怪物)」や「Renegades(レネゲーズ/裏切り者)」など、一見愛称にはしづらそうなものまである。
カナダ・バンクーバーにあるブルージェイズ傘下の「Canadians(カナディアンズ/カナダ人)」に至っては、都市名のあとに“国民”を持ってきている。日本で例えるなら、「東京ジャパニーズ」といったところだろうか。
こうやって愛称を日本語として見ていくと、違和感を覚えるものも多い。しかし、150以上のマイナーチームがそれぞれ愛称を持ち、その土地で独立して運営をしているということの現れである。
かつては日本のプロ野球でもそういった取り組みが行われており、例えば横浜(現DeNA)は二軍チームを「湘南シーレックス」と名付け、独立採算の道を目指していた。
将来的には日本でも、アメリカと同じようにファームであってもそれぞれのチームが独立運営し、地域に根付くような形を作るのが理想ではないだろうか。
独立採算制にするかはともかく、まずは各球団の二軍チームが独自の愛称を名付けるところから始めてみてはどうだろうか。
文=八木遊(やぎ・ゆう)