コラム

日米における永久欠番に対する考え方のちがい

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ヤンキースは永久欠番が多い

黒田の15が永久欠番


 今季限りで現役を引退した黒田博樹投手の背番号15が、広島の永久欠番となった。広島では衣笠祥雄の「3」、山本浩二の「8」に次いで3人目。NPBでの永久欠番制定は2012年に西武が稲尾和久の「24」を欠番にして以来で、現役引退直後での制定は前述の衣笠以来となる。NPB選手の永久欠番は巨人の6人が最多。阪神と広島が3人、中日が2人、西武が1人となっている。

 一方、MLBはニューヨーク・ヤンキースが21人、20種類の背番号を永久欠番に制定している(8番はヨギ・ベラとビル・ディッキーのふたり)。メジャー史上最高のキャプテンとも言われ、2014年限りで引退したデレク・ジーターの「2」も近いうちに永久欠番となる予定で、ヤンキースの1桁背番号はすべて永久欠番となる。厳密に言えば背番号0も1桁だが、過去にヤンキースで「0」を背負ってプレーした選手はいない。MLB全体でも背番号0を一度も使用していない球団が13球団もありそもそもNPBほど馴染みはないのだ。今季、背番号0でプレーしたMLBの選手もコロラド・ロッキーズのアダム・オッタビーノ、カンザスシティ・ロイヤルズのテランス・ゴアのふたりだけだ。

 また、メジャーには複数球団にまたがり永久欠番になっている選手が11人いる。史上最多の通算5714奪三振の記録を持つノーラン・ライアン氏はエンゼルスで「30」、アストロズ、レンジャーズで「34」がそれぞれ永久欠番である。

 ほかにも、日本でもよく知られるようになったが、全球団共通の永久欠番として初の黒人メジャーリーガー、ジャッキー・ロビンソンの「42」がある。

背番号を受け継いでいく日本的な考え方


 NPBとMLBで永久欠番の数に差があるのは、背番号の扱い方にちがいがあるからだ。NPBの支配下登録枠は70人。育成登録の選手は3桁の背番号となっているため、支配登録の選手と監督、コーチ陣で0や00から99までの番号を使わなければならない。

 MLBでは、メジャー登録枠が40人。各球団に3Aからルーキーまでのマイナーチームがあるが、各傘下のチームごとに背番号登録が異なる。

 つまり、メジャーのチームから傘下のマイナーチームの選手で1番から99番の背番号を分け合うことはなく、各階級のチームで背番号を決めるのだ。例えば、背番号20番の選手がメジャーにも3Aにも2Aにもいることがある。2007年にピッツバーグ・パイレーツとマイナー契約した桑田真澄はスプリングキャンプでは52番、傘下のルーキーリーグでは18番、3Aインディアナポリスでは25番と階級が上がるたびに背番号も変わった。

 こういったことからメジャーは永久欠番を制定しやすいと考えられるが、近年のMLBは永久欠番が増えて過ぎている印象もある。永久欠番を祝うセレモニーがシーズン中の試合前などに行われ、ファンサービスの一環にもなっている。

 永久欠番を制定し、ある選手のプレーを未来永劫に称えることもいいが、NPBにいくつかある「準永久欠番」のように、偉大な前任者の功績を称え、その番号にふさわしい選手が出てくるまで球団が預かるというのもひとつだろう。

 永久欠番にすると、その背番号でプレーする選手が二度と出てこないが、背番号を受け継いでいくとによって「昔、あの背番号をつけていた選手もああいう選手だった」など、以前その背番号をつけていた選手と今つけている選手を重ね合わせることができる。

 永久欠番を制定するほうがいいのか、受け継いだほうがいいのか。答えの出ることではないが、背番号ひとつをとっても考えはさまざまなのだ。


文=京都純典(みやこ・すみのり)

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