今夏、リトルリーグ・ワールドシリーズ（LLWS）で活躍し話題となった13歳の天才少女モネ・デービスさん。70マイル（約113キロ）の速球を投げ、女子として初めてLLWSで勝利投手となった彼女は、ドジャースタジアムで始球式を行うなど、米国内では彼女に対する注目、称賛がいまだ続いている。

　そのデービスさんが着用していたユニホームが、アメリカ野球殿堂博物館に展示されることになった。フィラデルフィアの『Taney Dragons』に所属するデービスさんは、LLWSの一戦で70球を投げ、2安打、無四球、8三振を奪い完封勝利。全米で天才野球少女として話題となったこの試合のパフォーマンスが認められたようだ。

　アメリカ野球殿堂博物館はマンハッタンからおよそ300㎞郊外のニューヨーク州クーパーズタウンにある野球専門の博物館。同博物館は野球の発展に大きく寄与した選手や審判、スタッフらの功績を称える施設で、MLBで殿堂入りを果たした名選手達の記念碑が飾られているほか、節目となる出来事や記録に関連したグッズなども展示されている。言わば、アメリカ野球史の象徴のような場所だ。

　日本人では、野茂英雄（元ドジャースほか）がノーヒットノーランを達成した時のボールや、松井秀喜（元ヤンキースほか）のメジャー第1号HRボール、イチロー（現ヤンキース）がMLBシーズン最多安打を記録した時のユニフォーム一式などが展示されている。

　デービスさんのユニフォームが、偉大なMLBプレイヤー達と並んでクーパーズタウンに飾られることは、米メディアでも驚きをもって報じている。米国内でやまないデービスさんへの賛辞。その先には、メジャー初の女性プレイヤー誕生を期待しているのかもしれない。

　ちなみに、アメリカ野球殿堂博物館に日本人で初めて展示されたのは、元阪急・山森雅文氏の写真。1981年9月16日のフェンスよじ登りHRキャッチがアメリカのテレビで紹介されて話題になり、その写真がいまも展示されている。