いよいよ、今日の試合でパ・リーグのCSファイナルステージ進出チームが決定する。激しい優勝争いの反動が心配されたオリックスであったが、後がない第2戦、和製大砲・T-岡田の一振りでチームは息を吹き返した。台風による試合中止によって2試合総動員だったリリーフも休ませることができ、投手陣に関してはベストな状態で第3戦へ臨むことができる。
しかし、野手では登録を抹消されたペーニャに加え、第2戦で平野恵一がハムストリングの張りを訴えて途中交代と、ここに来て離脱者が2人も出てしまった。森脇監督にとっては頭の痛い問題であるが、オリックスには頼もしいスーパーサブが控えている。西武から移籍して2年目を迎える原拓也だ。
今季は開幕から一度も登録抹消されることなく、キャリアハイとなる120試合に出場。うち87試合が途中出場ながら、ファーストからショートまで内野の全ポジションを守り、チームを支えた。
このCSの第2戦もケガの平野恵に代わって途中出場すると、0-2と2点ビハインドで迎えた6回、打ちあぐねていた日本ハム先発・上沢直之から初のランナーを出し、犠打で送って二死二塁のチャンス。ここで打席が回った原は4球目の変化球をうまく拾うと、打球はセカンドの左を破るチーム初安打。二塁ランナーを還し、反撃の狼煙を上げると3-4で迎えた8回にも、先頭打者として四球を選び、T-岡田の逆転3ランを呼び込んだ。
チームの緊急事態を救う活躍を見せている名脇役には、福岡の舞台でどうしても晴らさなければいけない屈辱がある。
12年のオフに山崎浩司との交換トレードで6年間在籍した西武を離れ、オリックスへとやって来た原には西武で1度優勝経験があるが、それ以上に悔しい“V逸”の経験がある。
遡ること4年前の10年9月、西武がマジックを4とし、3.5ゲーム差で迎えた福岡での直接対決3連戦で2位・ソフトバンク相手にまさかの3連敗。勢いを失った西武はその後、ソフトバンクに首位を明け渡し、大逆転での優勝を許した。
“V逸”のキッカケとなった3連敗の3戦目、20日の試合で原はひとつのエラーを犯した。西武2点リードの6回裏、無死一塁で小久保が放ったセカンドへのゴロ、誰もが4-6-3の併殺を確信したが、これをセカンドの原がファンブル。無死一二塁となると、チームはそのイニングで一気に3点を失い、逆転を許した。たったひとつのエラーによって、原はファンから戦犯級の扱いを受ることになってしまった。
あれから4年が経った今年、10月2日に奇しくも再び福岡の地で優勝がかかった大一番を迎えていた。7回、二死二塁の場面で代打として登場した原は、ソフトバンクのルーキー・森唯斗が投じた6球目のフォークにしぶとく食らいつくと、打球は一二塁間を抜けた。執念が生んだ値千金の同点タイムリー。因縁の地・福岡で両手でガッツポーズを見せた男に、トラウマの影はもう見えなかった。しかし、チームはサヨナラ負け。目の前での胴上げを許し、オリックスベンチは涙に暮れた。
今日の試合で福岡行きの切符を掴み、嫌な記憶を払拭しなければならないという思いが、チームにも原自身にもある。1勝1敗で迎える、運命の第3戦。チームを支えるスーパーサブ・原拓也に注目だ。
しかし、野手では登録を抹消されたペーニャに加え、第2戦で平野恵一がハムストリングの張りを訴えて途中交代と、ここに来て離脱者が2人も出てしまった。森脇監督にとっては頭の痛い問題であるが、オリックスには頼もしいスーパーサブが控えている。西武から移籍して2年目を迎える原拓也だ。
今季は開幕から一度も登録抹消されることなく、キャリアハイとなる120試合に出場。うち87試合が途中出場ながら、ファーストからショートまで内野の全ポジションを守り、チームを支えた。
このCSの第2戦もケガの平野恵に代わって途中出場すると、0-2と2点ビハインドで迎えた6回、打ちあぐねていた日本ハム先発・上沢直之から初のランナーを出し、犠打で送って二死二塁のチャンス。ここで打席が回った原は4球目の変化球をうまく拾うと、打球はセカンドの左を破るチーム初安打。二塁ランナーを還し、反撃の狼煙を上げると3-4で迎えた8回にも、先頭打者として四球を選び、T-岡田の逆転3ランを呼び込んだ。
チームの緊急事態を救う活躍を見せている名脇役には、福岡の舞台でどうしても晴らさなければいけない屈辱がある。
12年のオフに山崎浩司との交換トレードで6年間在籍した西武を離れ、オリックスへとやって来た原には西武で1度優勝経験があるが、それ以上に悔しい“V逸”の経験がある。
遡ること4年前の10年9月、西武がマジックを4とし、3.5ゲーム差で迎えた福岡での直接対決3連戦で2位・ソフトバンク相手にまさかの3連敗。勢いを失った西武はその後、ソフトバンクに首位を明け渡し、大逆転での優勝を許した。
“V逸”のキッカケとなった3連敗の3戦目、20日の試合で原はひとつのエラーを犯した。西武2点リードの6回裏、無死一塁で小久保が放ったセカンドへのゴロ、誰もが4-6-3の併殺を確信したが、これをセカンドの原がファンブル。無死一二塁となると、チームはそのイニングで一気に3点を失い、逆転を許した。たったひとつのエラーによって、原はファンから戦犯級の扱いを受ることになってしまった。
あれから4年が経った今年、10月2日に奇しくも再び福岡の地で優勝がかかった大一番を迎えていた。7回、二死二塁の場面で代打として登場した原は、ソフトバンクのルーキー・森唯斗が投じた6球目のフォークにしぶとく食らいつくと、打球は一二塁間を抜けた。執念が生んだ値千金の同点タイムリー。因縁の地・福岡で両手でガッツポーズを見せた男に、トラウマの影はもう見えなかった。しかし、チームはサヨナラ負け。目の前での胴上げを許し、オリックスベンチは涙に暮れた。
今日の試合で福岡行きの切符を掴み、嫌な記憶を払拭しなければならないという思いが、チームにも原自身にもある。1勝1敗で迎える、運命の第3戦。チームを支えるスーパーサブ・原拓也に注目だ。