日米野球が20日の親善試合で全日程を終了し、プロ野球は完全にストーブリーグに突入した。これまで日米野球参加のため、表立った行動を控えていた金子千尋（オリックス）や前田健太（広島）の移籍話が活発に展開していくことになる。特に、今オフの目玉とも言えるオリックス・金子千尋の動向は注目だ。

　金子は自身の去就について、ポスティングによる米移籍かオリックス残留に絞るとの意向を明言していたが、11月11日に突然の国内FA宣言。予想だにしなかったFA宣言で、オリックスを含む各球団は金子の真意が何なのかを冷静に見定めている状況だ。ただ、少なくとも国内外の全球団が移籍先の候補になったため、金子獲得競争はし烈を極めることは間違いなさそうである。

　今後、注目されるポイントは、オリックスがポスティングを認めるかどうか、になる。金子は秋季練習に参加した10月27日、メジャー移籍の場合は「日米野球後に決断する」とコメントしていたため、近日中には何かしらの動きが出てくることになるだろう。

　沢村賞、最多勝、最優秀防御率の投手三冠に輝いた金子を巡る各球団の獲得競争がどのように展開されるのか。金子の動きとともに、ストーブリーグが激しく動き出しそうだ。

＜シーズン終了後の金子千尋の動向＞
10月24日
ポスティングシステムを利用してのメジャー挑戦か、オリックス残留に絞ると報道

10月25日（現地時間24日）
ワールドシリーズ第3戦をサンフランシスコで現地観戦

10月27日（現地時間26日）
レッドソックスが金子の獲得調査を行っていると報道（地元紙ボストン・グローブ）
⇒金子獲得にかかる譲渡金は2000万ドル（約21億6000万円）が必要と報じる

10月27日
ほっともっと神戸で行われた秋季練習に参加。メジャー移籍の場合、日米野球後に決断との意向を示す

11月8日
侍ジャパン始動

11月11日
突然の国内FA宣言
⇒オリックス瀬戸山本部長は宣言残留を認める考え
⇒金子は「全ての可能性を考えたいと思って、こういう決断になりました」とコメント

【国内FA宣言した金子に対する他球団の反応】
中日・谷繁監督
「本物のFA選手ですね。本物のFAが出たということ」

ソフトバンク・三笠杉彦球団統括本部長
「パ・リーグ一、12球団一の投手がFA市場に出てきたとなれば当然、前向きに検討する」

11月14日
レッドソックスなど10球団以上大リーグスカウトが見守る中、日米野球第2戦（東京ドーム）に先発登板、5回3安打5奪三振3失点の内容で勝ち投手
金子「チェンジアップは空振りも取れたし、いい感じで投げられた」
岩隈「凄くいいボールを投げていたが、おそらく（WBC球）の感触で、マウンドの感じが違う印象を受けた。それでもいいボールを投げていた」
ファレル監督「色んな球種を織り交ぜてバッターのバランスを崩すことができる」

11月15日
高知・秋季キャンプを視察したオリックス・西名弘明球団社長が「僕が行って引き止められるなら行きたい」と残留交渉に直接出馬する意向を示す

11月19日
金子が米国代理人のアーン・テレム氏と契約を結んだと報道

11月20日
日米野球閉幕