ニュース 2015.01.07. 17:00

2015シーズンの注目ワード『トリプル3』 “出るか!?”よりも“誰がやるか!?”

無断転載禁止
侍ジャパンに選出され、日米野球MVPにも輝いた柳田悠岐はさらなる飛躍を遂げることができるだろうか[Getty Images]
 新シーズンを迎える前に、今年のプロ野球界でキーワードになりそうなことをベースボールキング編集部が勝手に選定して紹介する今シーズンの“注目ワード”。ここでは02年を最後に達成者が出ていない記録『トリプル3』について触れていきたい。

 『トリプル3』とは、同一シーズンで打率3割、30本塁打、30盗塁を記録すること。“走”と“攻”の部分で高い能力を兼ね備えていることを示すもので、目標として掲げる選手も多い。

 日本では過去に8人しか達成していない『トリプル3』。最後の達成者は2002年、当時西武に在籍していた松井稼頭央が打率.332、36本塁打、33盗塁で見事にクリアしたが、それ以来12年間達成者が現れていないというのが現状である。ただし、期待できる候補者たちというのは決して少なくない。

 本命に挙げられるのは、大ブレイクしたソフトバンクの柳田悠岐。確実性を増した打撃で、14年は打率.317、33盗塁を記録。本塁打こそ15本に留まったが、そのパワーは同業者である選手たちが舌を巻くほどのものを持っており、超人・糸井嘉男も「日本人では一番。バケモン」と評する。本拠地ヤフオクドームの改修という追い風もあり、最も近い男であると言えるだろう。

 昨シーズン首位打者を獲得したオリックスの糸井嘉男も、打率.331、31盗塁で2項目をクリア。膝のケガを抱えながらも2年連続で30盗塁以上をマークし、打率は6年連続で3割超え。ただし、本塁打は昨年の19本がキャリアハイの数字。かねてから口にしていた目標の達成へ向けて、あと11本の上積みを乗せることができるだろうか。

 その他にも、日本ハムの陽岱鋼、ソフトバンクの松田宣浩といったあたりはそれに迫る数字を残した経験を持っており、広島の丸佳浩、ヤクルトの山田哲人、DeNAの梶谷隆幸ら成長著しい若手たちの爆発力にも期待を抱ける。

 史上9人目の大記録へ。“達成なるか!?”だけでなく“誰が達成するのか!?”に注目しながらシーズンを追っていきたい。


【トリプル3・候補者たち】
◎ 柳田悠岐(ソフトバンク)
最高成績:打率.317 本塁打15 盗塁33

○ 糸井嘉男(オリックス)
最高成績:打率.331 本塁打19 盗塁33

○ 陽岱鋼(日本ハム)
最高成績:打率.293 本塁打25 盗塁47

△ 松田宣浩(ソフトバンク)
最高成績:打率.301 本塁打25 盗塁27

△ 山田哲人(ヤクルト)
最高成績:打率.324 本塁打29 盗塁15

▲ 丸佳浩(広島)
最高成績:打率.310 本塁打19 盗塁29

▲ 梶谷隆幸(DeNA)
最高成績:打率.263 本塁打16 盗塁39
(※13年に77試合で打率.346、16本塁打を記録)

【歴代トリプル3達成者】
1950 岩本義行(松竹) 率.319 本39 盗34
1950 別当薫(毎日)  率.335 本43 盗34
1953 中西太(西鉄)  率.314 本36 盗36
1983 簑田浩二(阪急) 率.312 本32 盗35
1989 秋山幸二(西武) 率.301 本31 盗31
1995 野村謙二郎(広島)率.315 本32 盗30
2000 金本知憲(広島) 率.315 本30 盗30
2002 松井稼頭央(西武)率.332 本36 盗33
ポスト シェア 送る
  • ALL
  • De
  • 西