移籍や新戦力の獲得も落ち着きを見せ、いよいよキャンプインに向けたムードが高まって来たプロ野球界。ここでは、新シーズンを占うにあたって、パ・リーグ6球団の『4番打者』に注目した。

　過去3シーズンを振り返り、その年で最も多く4番に座った選手とその成績を調査。その結果からチームが抱える問題点や希望の光を探り、2015年の展望を行なった。

● ソフトバンク
[過去3年の4番打者]
2014年：李大浩（144試合）　率.300　本19　点68
2013年：松田宣浩（81試合）　率.279　本20　点90
2012年：ペーニャ（87試合）　率.280　本21　点76

　課題だった4番不在問題も、李大浩の獲得成功により解消。数字の物足りなさを指摘する声も上がったが、チームの弱点を埋め、日本一に貢献した。今年も李大浩が健康である限り、迷うことはないだろう。

● オリックス
[過去3年の4番打者]
2014年：ペーニャ（82試合）　率.255　本32　点90
2013年：李大浩（141試合）　率.303　本24　点91
2012年：李大浩（144試合）　率.286　本24　点91

　2012年から2年間、不動の4番として君臨した李大浩を引き抜かれた昨季は新たにペーニャを据えるも、ケガなどもあって82試合の出場に留まった。そのペーニャも退団した今年はDeNAからブランコを獲得。コンディション面の不安はあるが、上手くハマれば悲願の優勝もグッと近づくことだろう。

● 日本ハム
[過去3年の4番打者]
2014年：中田翔（142試合）　率.269　本27　点100
2013年：中田翔（106試合）　率.305　本28　点73
2012年：中田翔（144試合）　率.239　本24　点77

　侍ジャパンでも4番を務める中田翔の独壇場。骨折で離脱した2013年以外、ほぼ年間を通して4番に座るまさに“不動の4番”となっている。今年で26歳とまだまだ若く、ケガや移籍がない限り、日本ハムの『4番』はしばらく安泰と言えそうだ。

● ロッテ
[過去3年の4番打者]
2014年：デスパイネ（39試合）　率.311　本12　点33
2013年：今江敏晃（97試合）　率.325　本10　点74
2012年：サブロー（77試合）　率.239　本7　点52

　昨季は途中入団のデスパイネが4番として最多出場となるほどに悩んだロッテだが、今季はデスパイネの残留が決定し、苦しみ抜いた4番不在という悩みから開放されそう。45試合、182打席で12本の本塁打を放った男が、年間通してどれだけの数字を残すのかに注目が集まる。

● 西武
[過去3年の4番打者]
2014年：中村剛也（91試合）　率.257　本34　点90
2013年：浅村栄斗（96試合）　率.317　本27　点110
2012年：中村剛也（119試合）　率.231　本27　点79

　中村とメヒア、同一チームから2人の本塁打王が出た昨季。中村はオフに右ヒジの手術を行なっており、その回復具合が気になるところだが、メヒアがいることで焦ることなく仕上げることができるだろう。13年に大ブレイクを果たした浅村の復活にも期待。

● 楽天
[過去3年の4番打者]
2014年：ジョーンズ（132試合）　率.221　本24　点71
2013年：ジョーンズ（143試合）　率.243　本26　点94
2012年：フェルナンデス（63試合）　率.243　本3　点51

　ここ2年間主砲としてチームを牽引してきたジョーンズが退団。新外国人のサンチェスが有力候補となる。昨季は外国人選手で苦い思いをしているだけに、悪夢を振り払うような大活躍を見せて欲しいところ。