3月に入り、いよいよ開幕が近づいてきたプロ野球。徐々に大方の予定も決まり、“大役”を任される選手が明らかとなっている中、注目はおそらく12球団で最年少の開幕投手となることが予想される日本ハムの大谷翔平だ。
投手と野手を並行して行う“二刀流”選手として日本ハムに入団し、早3年。背番号「11」を譲り受けたかつてのエース・ダルビッシュ有以来となる高卒から3年での開幕投手を掴んだ。
ダルビッシュも大谷も共にドラフト1位で指名され、大きな期待を受けて入団してきた点は共通している。ところが、ダルビッシュは12月の自主トレで膝を痛めたことからキャンプは二軍スタートに。その後、パチンコ店で喫煙していた様子を写真週刊誌に報道され、球団寮へ強制送還。無期限の謹慎と謹慎中の社会貢献活動を命じる処分を受けた。
いきなりスタートで躓いたものの、そこから這い上がったダルビッシュは6月15日の広島戦でついにプロ初登板を果たすと、8回までスコアボードに0を並べる。初登板での完封勝利へ向けた期待も高まった中、9回に先頭の新井貴浩に被弾。さらに続く野村謙二郎にも一発を浴び、そこでマウンドを降りた。
それでも、デビュー戦で8回2失点の好投。当時広島の監督だった山本浩二氏は「高校生にひねられるなんてただただ恥ずかしい」と言葉少なに球場を後にした。
その後、ローテーションの一角として定着すると、1年目から5勝をマーク。翌年には公式戦10連勝を達成するなど12勝をマークし、先発の柱としてチームの44年ぶり日本一に大きく貢献。日本シリーズ優秀選手賞とアジアシリーズMVPも獲得している。
ダルビッシュは2年目に12勝を挙げたのを皮切りに、2011年まで6年連続で2ケタ勝利をマーク。最優秀防御率に最多奪三振、最高勝率のタイトルを獲得し、沢村賞1回、リーグMVPは2回という輝かしい成績を残して海を渡った。
そのダルビッシュがメジャー挑戦を叶えた翌年、大谷が入団する。宣言通りに“二刀流”を実行し、キャンプでは投手と野手のメニューを並行してこなしながら2月中旬に一軍昇格。西武との開幕戦には「8番・右翼」で先発出場を果たした。
球団の高卒外野手の開幕戦スタメン出場はあの張本勲氏以来、実に54年ぶりの快挙となったが、大谷はいきなり4打数2安打1打点と活躍。相手エースの岸孝之を攻略し、勝利に貢献した。
投手としてのデビューは5月23日のヤクルト戦。5回2失点で勝ち負けはつかずも、直球の最速は157キロをマークするなどその片鱗を見せつけ、6月1日の中日戦でプロ初勝利を挙げている。
昨シーズン、大谷は野手として89試合に出場し、打率.289、10本塁打を記録しながら、投げては投手4部門すべてでチームトップの数字を残している。打でも主力である男は、名実ともにチームのエースとして迎える3年目に投打を並行してどれだけの成績を残すのか。大きな注目が集まる。
辿ってきた過程は違えど、かつてのエースと同じ背番号を背負い、3年目で開幕のマウンドに立つ大谷翔平。「これからは、翔平が歴史をつくっていくと思う」と語った指揮官の想いに応え、チームに歓喜をもたらすことができるだろうか。
東北高→2004年ドラフト1位
2005年:14試 5勝5敗 振52 防3.53
2006年:25試 12勝5敗 振115 防2.89
--
2年通算:39試 17勝10敗 振167 防3.14
・大谷翔平
花巻東高→2012年ドラフト1位
2013年:13試 3勝0敗 振46 防4.23
2014年:24試 11勝4敗 振179 防2.61
--
2年通算:37試 14勝4敗 振225 防3.07
投手と野手を並行して行う“二刀流”選手として日本ハムに入団し、早3年。背番号「11」を譲り受けたかつてのエース・ダルビッシュ有以来となる高卒から3年での開幕投手を掴んだ。
ダルビッシュも大谷も共にドラフト1位で指名され、大きな期待を受けて入団してきた点は共通している。ところが、ダルビッシュは12月の自主トレで膝を痛めたことからキャンプは二軍スタートに。その後、パチンコ店で喫煙していた様子を写真週刊誌に報道され、球団寮へ強制送還。無期限の謹慎と謹慎中の社会貢献活動を命じる処分を受けた。
いきなりスタートで躓いたものの、そこから這い上がったダルビッシュは6月15日の広島戦でついにプロ初登板を果たすと、8回までスコアボードに0を並べる。初登板での完封勝利へ向けた期待も高まった中、9回に先頭の新井貴浩に被弾。さらに続く野村謙二郎にも一発を浴び、そこでマウンドを降りた。
それでも、デビュー戦で8回2失点の好投。当時広島の監督だった山本浩二氏は「高校生にひねられるなんてただただ恥ずかしい」と言葉少なに球場を後にした。
その後、ローテーションの一角として定着すると、1年目から5勝をマーク。翌年には公式戦10連勝を達成するなど12勝をマークし、先発の柱としてチームの44年ぶり日本一に大きく貢献。日本シリーズ優秀選手賞とアジアシリーズMVPも獲得している。
ダルビッシュは2年目に12勝を挙げたのを皮切りに、2011年まで6年連続で2ケタ勝利をマーク。最優秀防御率に最多奪三振、最高勝率のタイトルを獲得し、沢村賞1回、リーグMVPは2回という輝かしい成績を残して海を渡った。
そのダルビッシュがメジャー挑戦を叶えた翌年、大谷が入団する。宣言通りに“二刀流”を実行し、キャンプでは投手と野手のメニューを並行してこなしながら2月中旬に一軍昇格。西武との開幕戦には「8番・右翼」で先発出場を果たした。
球団の高卒外野手の開幕戦スタメン出場はあの張本勲氏以来、実に54年ぶりの快挙となったが、大谷はいきなり4打数2安打1打点と活躍。相手エースの岸孝之を攻略し、勝利に貢献した。
投手としてのデビューは5月23日のヤクルト戦。5回2失点で勝ち負けはつかずも、直球の最速は157キロをマークするなどその片鱗を見せつけ、6月1日の中日戦でプロ初勝利を挙げている。
昨シーズン、大谷は野手として89試合に出場し、打率.289、10本塁打を記録しながら、投げては投手4部門すべてでチームトップの数字を残している。打でも主力である男は、名実ともにチームのエースとして迎える3年目に投打を並行してどれだけの成績を残すのか。大きな注目が集まる。
辿ってきた過程は違えど、かつてのエースと同じ背番号を背負い、3年目で開幕のマウンドに立つ大谷翔平。「これからは、翔平が歴史をつくっていくと思う」と語った指揮官の想いに応え、チームに歓喜をもたらすことができるだろうか。
ダルビッシュと大谷、開幕投手までの道のり
・ダルビッシュ有東北高→2004年ドラフト1位
2005年:14試 5勝5敗 振52 防3.53
2006年:25試 12勝5敗 振115 防2.89
--
2年通算:39試 17勝10敗 振167 防3.14
・大谷翔平
花巻東高→2012年ドラフト1位
2013年:13試 3勝0敗 振46 防4.23
2014年:24試 11勝4敗 振179 防2.61
--
2年通算:37試 14勝4敗 振225 防3.07