高卒3年目、虎の未来を背負う21歳右腕に覚醒の兆し…?
阪神の藤浪晋太郎は27日、甲子園での交流戦・対楽天の2回戦に先発登板。打線の援護に恵まれない中、延長10回・131球の熱投。勝ち負けはつかなかったが、自己最多タイとなる13個の三振を奪い、無失点の好投でチームのサヨナラ勝ちを呼び込んだ。
前回登板の20日、巨人を相手にプロ初完封をマークした藤浪。この日は初回から安打と四球でピンチを招くが、後続を空振り三振に斬って無失点で立ち上がる。
すると、2回以降は楽天打線を散発の3安打に封じ込め、9回には三者連続三振。延長10回に入ってもその勢いは衰えることなく、福田将儀への2球目でこの日最速となる155キロを叩き出すなど、魂の力投。10回を4安打、与四球は3つも、13個の三振を奪う魂の力投。5月14日のヤクルト戦から続く連続イニング無失点を「26」に伸ばした。
開幕直後は苦しい投球が目立つも、ここ3試合は2勝負け無し。28イニングで失点はわずかに1つと圧倒的な投球で試合を制圧している。
この快進撃のキッカケを探ると、浮かび上がってくる選手が一人いる。捕手の鶴岡一成だ。
14日のヤクルト戦で今シーズン初めてコンビを組むと、その試合で9回1失点完投勝利。自身の連敗を4で止め、3月29日以来の勝利を挙げる。すると、20日の巨人戦でもコンビを組み、今度は9回を2安打完封。プロ3年目で嬉しい初完封勝利を掴んだ。
実は、元々相性は良かったこの2人。11勝8敗で防御率3.53という成績を残した昨年も、鶴岡とのコンビで臨んだ10試合では6勝1敗、防御率も2.61と抜群の安定感を誇っていたのだ。
今年も3試合のコンビで2勝0敗、防御率は驚異の0.32。ここまで来ると、「快投の裏に鶴岡あり」と言うのも大げさではないだろう。
同世代の大谷翔平が高卒3年で開幕投手の座を掴み、野手との“二刀流”を並行しながら開幕6連勝を記録。どうしても比較されてしまう藤浪は、「どこで差がついた」と世間から批判されることも少なくなかった。
注目を浴びる球団の中で期待も大きい分、かかるプレッシャーも大きい。それでも、もがいてもがいた結果、男はひとつ壁を乗り越えた。
高校時代、大阪桐蔭を史上7校目の春夏連覇へ導いた怪物右腕には、“世代のエース”としての意地がある。これ以上ライバルに遅れをとるわけにはいかない。
苦戦を強いられるチームの中で挿した一筋の希望――。頼れる女房と再会を果たし、覚醒の気配を漂わせる虎の若きエースから、目が離せない。
・3月29日 vs中(○) 5回 95球 安9 四1 三2 失3
・4月5日 vs巨(●) 8回104球 安5 四1 三5 失3
・4月12日 vs広(―) 7回110球 安9 四1 三5 失3(自責2)
・4月19日 vs巨(―) 7回142球 安8 四4 三8 失2
・4月25日 vs広(●) 5回106球 安7 四4 三3 失6(自責3)
・5月2日 vs巨(●) 8回 99球 安5 四0 三10 失1
・5月8日 vs広(●) 5回108球 安8 四4 三5 失7(自責2)
・5月14日 vsヤ(○) 9回113球 安8 四1 三9 失1
・5月20日 vs巨(○) 9回137球 安2 四3 三10 失0
・5月27日 vs楽(―) 10回131球 安4 四3 三13 失0
=10試(73回)3勝4敗 奪三70 防2.10
☆完投4・完封1
阪神の藤浪晋太郎は27日、甲子園での交流戦・対楽天の2回戦に先発登板。打線の援護に恵まれない中、延長10回・131球の熱投。勝ち負けはつかなかったが、自己最多タイとなる13個の三振を奪い、無失点の好投でチームのサヨナラ勝ちを呼び込んだ。
前回登板の20日、巨人を相手にプロ初完封をマークした藤浪。この日は初回から安打と四球でピンチを招くが、後続を空振り三振に斬って無失点で立ち上がる。
すると、2回以降は楽天打線を散発の3安打に封じ込め、9回には三者連続三振。延長10回に入ってもその勢いは衰えることなく、福田将儀への2球目でこの日最速となる155キロを叩き出すなど、魂の力投。10回を4安打、与四球は3つも、13個の三振を奪う魂の力投。5月14日のヤクルト戦から続く連続イニング無失点を「26」に伸ばした。
開幕直後は苦しい投球が目立つも、ここ3試合は2勝負け無し。28イニングで失点はわずかに1つと圧倒的な投球で試合を制圧している。
この快進撃のキッカケを探ると、浮かび上がってくる選手が一人いる。捕手の鶴岡一成だ。
14日のヤクルト戦で今シーズン初めてコンビを組むと、その試合で9回1失点完投勝利。自身の連敗を4で止め、3月29日以来の勝利を挙げる。すると、20日の巨人戦でもコンビを組み、今度は9回を2安打完封。プロ3年目で嬉しい初完封勝利を掴んだ。
実は、元々相性は良かったこの2人。11勝8敗で防御率3.53という成績を残した昨年も、鶴岡とのコンビで臨んだ10試合では6勝1敗、防御率も2.61と抜群の安定感を誇っていたのだ。
今年も3試合のコンビで2勝0敗、防御率は驚異の0.32。ここまで来ると、「快投の裏に鶴岡あり」と言うのも大げさではないだろう。
同世代の大谷翔平が高卒3年で開幕投手の座を掴み、野手との“二刀流”を並行しながら開幕6連勝を記録。どうしても比較されてしまう藤浪は、「どこで差がついた」と世間から批判されることも少なくなかった。
注目を浴びる球団の中で期待も大きい分、かかるプレッシャーも大きい。それでも、もがいてもがいた結果、男はひとつ壁を乗り越えた。
高校時代、大阪桐蔭を史上7校目の春夏連覇へ導いた怪物右腕には、“世代のエース”としての意地がある。これ以上ライバルに遅れをとるわけにはいかない。
苦戦を強いられるチームの中で挿した一筋の希望――。頼れる女房と再会を果たし、覚醒の気配を漂わせる虎の若きエースから、目が離せない。
藤浪晋太郎の2015年シーズン
(※「四」は四死球の合計)・3月29日 vs中(○) 5回 95球 安9 四1 三2 失3
・4月5日 vs巨(●) 8回104球 安5 四1 三5 失3
・4月12日 vs広(―) 7回110球 安9 四1 三5 失3(自責2)
・4月19日 vs巨(―) 7回142球 安8 四4 三8 失2
・4月25日 vs広(●) 5回106球 安7 四4 三3 失6(自責3)
・5月2日 vs巨(●) 8回 99球 安5 四0 三10 失1
・5月8日 vs広(●) 5回108球 安8 四4 三5 失7(自責2)
・5月14日 vsヤ(○) 9回113球 安8 四1 三9 失1
・5月20日 vs巨(○) 9回137球 安2 四3 三10 失0
・5月27日 vs楽(―) 10回131球 安4 四3 三13 失0
=10試(73回)3勝4敗 奪三70 防2.10
☆完投4・完封1