“浮き指”が世間の注目を集めている。
“浮き指”とは、足の指が地面から離れてしまうことで、様々な健康被害の原因とも考えられている。足の指はプロ野球選手やアスリートにとって、どのような影響を及ぼすのか。足裏からアプローチできる姿勢補正具「大山式ボディメイクパッド」を開発した健康科学の権威・大阪大学名誉教授の大山良徳先生に話を聞いた。
【大山良徳先生（大阪大学名誉教授）インタビュー】
――足の指、足の裏を矯正する器具を開発することになったきっかけは？
「足指が浮くというのがあるのですが、それを“浮き指”といいます。私は陸上をしていたのですが、足をくっつけて履くようなスパイクだった。そうすると、足の指と指がくっついてしまう。指がくっつくと足裏の面積が狭くなる。その結果、どうなるかというと、足がグラグラし、不安定になる。なにか改善する方法がないだろうかというのがきっかけです」
――“浮き指”によって、バランスが悪くなる？
「“浮き指”というのは、（指が）曲がった状態で指の全体が床についていない、ということ。靴の中で足の指が浮いて、足の裏だけで体を支えているから、バランスが悪くなる。つまり、姿勢が悪くなる。そうすると、腰痛や膝の痛み、肩こり、肥満、冷え、むくみといった症状が出ます。O脚なんかもそうですね。姿勢が悪く、前傾姿勢になるに従って、呼吸まで悪くなります」
――足の指を使わず、足の裏だけで立っている？
「逆立ちをイメージするとわかるんですよ。逆立ちで歩いたりすると、手の指先をしっかり広げますよね。手でやる時は全部の指を使ってバランスを取るのに、足の場合は指を付けないのはおかしいですよね」
――足の指を広げることによる効果は他にもあるのですか？
「足を広げることによって、血液やリンパの流れが良くなります。また、足の裏を刺激することによって、脳を刺激するんです。足の裏の刺激は、脳で判断していますから。極端な話ですが、認知症の予防にも繋がりますよね。足は第2の心臓と言われますが、第2の脳でもあるんですよ」
――アスリートにとっては重心が安定することで、プレーの向上にも繋がるということですね。
「その通りです。人間の体は足の指でバランスを取っています。だから、あんまりきつい靴を履いているのは良くないことなんですよ」
――多くのアスリートがフィットした靴を履きたがります。
「たしかに足首を固定するのは良いと思います。でも、指は安定してバランスが取れるように、少し自由に動けるようにしなければなりません。足裏の面積は体全体の面積の2％ですよ。たった2％で私たちの体全体を支えている。例えば、伊勢神宮の木は根元ががっちりしていますよね。大木になればなるほど、根っこは非常に重要な役割を果たします。人間もそれと同じ。安定した動きを取るためには、指も含めた足の裏全体で体を支える必要がある。2％で98％の生命体を支えるという、非常に重要な役割を持っていますからね」
――ケガの予防にもつながりますか？
「多くの選手は、足指が動かないようなサイズがぴったりなスパイクを履いています。そうなると、足指が広がりません。でも、実際に踏ん張るときは、足指を使うんですよ。それができないと、結果として、体の様々な箇所に負担がかかります。スポーツ選手に腰痛、ひざの故障が多いのは、“浮き指”が原因ではないかなと考えられます。足指を意識して歩く。5本の指が広がっていることが非常に大事だと思います」
――野球選手で体の大きな選手は太ももにケガが多い。これも“浮き指”の不安定さからくるのでしょうか。
「おっしゃる通り。不安定になるからそれを立て直そうとして、どこが働くかというと太ももですよ。大腿四頭筋や大腿三頭筋で支えようとする。そこで必要以上に負荷がかかり筋断裂がおきたりする。だから足指パットをつけて、常に姿勢を安定させることが重要になってきます」
――ジュニア年代のスポーツ選手にはどうですか？
「こどもの場合、お尻を付けずにしゃがんでごらんと声をかけると、安定して座れません。ゴロンと転がって倒れちゃうんですよ。それは、足の筋肉が弱くなっているし、足の裏全体も非常に弱くなっているということ。実際、今の子どもたちが和式のトイレになかなか入れません。洋式トイレのように、楽なものを使いすぎると人間の体は、順応して悪くなっていく。その点では、足や足指を使うトレーニングが必要だということです。また、子供の場合は足指を意識すると学業にも良い影響が出てきます。脳を刺激するから物覚えがよくなり、成績もよくなります。運動しない子どもより、運動する子どもの方が成績はいいですから」
――ところで、足裏を上手く活用していると思うプロ野球選手はいらっしゃいますか？
「長く野球を続けているベテラン選手は足指を上手く活用していると思いますよ。やっぱり、凄いと思うのはイチロー選手。イチロー選手は聞くところによると、お父さんから足の裏を毎日マッサージしてもらっていたらしいですよ。（刺激を与えるという意味では）とても理に適っていた訳です」
――最後に『大山式（ボディメイクパッド）』はどのような人に使って欲しいですか？
「大山式を使って欲しいのは、形が出来上がった選手よりも未熟段階の選手。成長段階のある選手に使っていただきたいですね。また、現代は高齢化社会です。お年寄りの姿勢が安定して、転倒を防止する。頭を活性化させる。姿勢をよくするために、ぜひ使ってもらったら良いと思います。ダメなら捨てればいい話なので、一度試して欲しいですね」
“浮き指”とは、足の指が地面から離れてしまうことで、様々な健康被害の原因とも考えられている。足の指はプロ野球選手やアスリートにとって、どのような影響を及ぼすのか。足裏からアプローチできる姿勢補正具「大山式ボディメイクパッド」を開発した健康科学の権威・大阪大学名誉教授の大山良徳先生に話を聞いた。
【大山良徳先生（大阪大学名誉教授）インタビュー】
――足の指、足の裏を矯正する器具を開発することになったきっかけは？
――“浮き指”によって、バランスが悪くなる？
「“浮き指”というのは、（指が）曲がった状態で指の全体が床についていない、ということ。靴の中で足の指が浮いて、足の裏だけで体を支えているから、バランスが悪くなる。つまり、姿勢が悪くなる。そうすると、腰痛や膝の痛み、肩こり、肥満、冷え、むくみといった症状が出ます。O脚なんかもそうですね。姿勢が悪く、前傾姿勢になるに従って、呼吸まで悪くなります」
――足の指を使わず、足の裏だけで立っている？
「逆立ちをイメージするとわかるんですよ。逆立ちで歩いたりすると、手の指先をしっかり広げますよね。手でやる時は全部の指を使ってバランスを取るのに、足の場合は指を付けないのはおかしいですよね」
――足の指を広げることによる効果は他にもあるのですか？
「足を広げることによって、血液やリンパの流れが良くなります。また、足の裏を刺激することによって、脳を刺激するんです。足の裏の刺激は、脳で判断していますから。極端な話ですが、認知症の予防にも繋がりますよね。足は第2の心臓と言われますが、第2の脳でもあるんですよ」
――アスリートにとっては重心が安定することで、プレーの向上にも繋がるということですね。
「その通りです。人間の体は足の指でバランスを取っています。だから、あんまりきつい靴を履いているのは良くないことなんですよ」
――多くのアスリートがフィットした靴を履きたがります。
「たしかに足首を固定するのは良いと思います。でも、指は安定してバランスが取れるように、少し自由に動けるようにしなければなりません。足裏の面積は体全体の面積の2％ですよ。たった2％で私たちの体全体を支えている。例えば、伊勢神宮の木は根元ががっちりしていますよね。大木になればなるほど、根っこは非常に重要な役割を果たします。人間もそれと同じ。安定した動きを取るためには、指も含めた足の裏全体で体を支える必要がある。2％で98％の生命体を支えるという、非常に重要な役割を持っていますからね」
――ケガの予防にもつながりますか？
「多くの選手は、足指が動かないようなサイズがぴったりなスパイクを履いています。そうなると、足指が広がりません。でも、実際に踏ん張るときは、足指を使うんですよ。それができないと、結果として、体の様々な箇所に負担がかかります。スポーツ選手に腰痛、ひざの故障が多いのは、“浮き指”が原因ではないかなと考えられます。足指を意識して歩く。5本の指が広がっていることが非常に大事だと思います」
――野球選手で体の大きな選手は太ももにケガが多い。これも“浮き指”の不安定さからくるのでしょうか。
「おっしゃる通り。不安定になるからそれを立て直そうとして、どこが働くかというと太ももですよ。大腿四頭筋や大腿三頭筋で支えようとする。そこで必要以上に負荷がかかり筋断裂がおきたりする。だから足指パットをつけて、常に姿勢を安定させることが重要になってきます」
――ジュニア年代のスポーツ選手にはどうですか？
「こどもの場合、お尻を付けずにしゃがんでごらんと声をかけると、安定して座れません。ゴロンと転がって倒れちゃうんですよ。それは、足の筋肉が弱くなっているし、足の裏全体も非常に弱くなっているということ。実際、今の子どもたちが和式のトイレになかなか入れません。洋式トイレのように、楽なものを使いすぎると人間の体は、順応して悪くなっていく。その点では、足や足指を使うトレーニングが必要だということです。また、子供の場合は足指を意識すると学業にも良い影響が出てきます。脳を刺激するから物覚えがよくなり、成績もよくなります。運動しない子どもより、運動する子どもの方が成績はいいですから」
――ところで、足裏を上手く活用していると思うプロ野球選手はいらっしゃいますか？
「長く野球を続けているベテラン選手は足指を上手く活用していると思いますよ。やっぱり、凄いと思うのはイチロー選手。イチロー選手は聞くところによると、お父さんから足の裏を毎日マッサージしてもらっていたらしいですよ。（刺激を与えるという意味では）とても理に適っていた訳です」
――最後に『大山式（ボディメイクパッド）』はどのような人に使って欲しいですか？
「大山式を使って欲しいのは、形が出来上がった選手よりも未熟段階の選手。成長段階のある選手に使っていただきたいですね。また、現代は高齢化社会です。お年寄りの姿勢が安定して、転倒を防止する。頭を活性化させる。姿勢をよくするために、ぜひ使ってもらったら良いと思います。ダメなら捨てればいい話なので、一度試して欲しいですね」
