19日、札幌ドームで行なわれた日本ハム－西武の一戦。4連敗中の西武は炭谷銀仁朗の4打点の活躍などで5点のリードを奪い、投げては先発の岸孝之が5回まで無安打ピッチング。投打が噛み合い、連敗脱出をハッキリとその視界に捉えていたはずだった。

　ところが、6回に日本ハムの8番・谷口の安打によりノーヒッターが途切れると、事態は一変する。続く9番の大野にも安打を浴びると、一死とした後に2番の中島卓也に四球を与えて満塁のピンチ。球審との相性も合わず、微妙な判定に苦しむ表情を見せる中、3番の田中賢介にも四球を与え、押し出しで1点を献上した。

　動揺する岸は続く中田に2点適時打を浴びたところでKO。無安打投球が一変、ピンチを残したままマウンドを降りることに。後を受けた武隈も近藤に適時打を浴び、これで5－4。慌ててベンチはレアードのところで岡本洋介をマウンドに送ったが、その結果は最悪の3ラン被弾。この回一気に7点を失う大炎上で、4－7と逆転を許した。

　その後7回にも2点を失った西武は、反撃も届かずに7－9で敗戦。連敗は5に伸び、またも白星を積み重ねることができなかった。

　CS争いも激しさを増していく中、連敗から抜け出せない西武。そんな中、ファンの間に“嫌な予感”が駆け巡っている。今年の夏場に起こった、最悪の連敗のことだ。

　西武は今年の7月から8月の頭にかけて、球団ワースト記録となる13連敗を記録した。その連敗の代償に、いまこうして熾烈な3位争いを強いられていると言っても過言ではない。

　“嫌な予感”と言うのは、「その時のチームといまの5連敗が似ている」というところから来るものだという。

　7月の13連敗を振り返ってみると、秋山翔吾が連続試合安打の記録を捨てて四球を選び、その後の中村のサヨナラ3ランに繋げたという劇的な勝利を挙げた翌日、4点のリードを9回に追いつかれ、延長戦の末に敗れた楽天戦からはじまる。

　オールスターを挟んでの次戦は、エースの岸孝之を立てながらも打線が金子千尋を前に沈黙し、0－2の完封負け。その翌日は今季3戦3敗と苦手にしている天敵・東明大貴に敗れ、次は日本ハム・大谷翔平を前に敗戦。翌日は吉川光夫を攻略しながらも、終盤の5失点で逆転負けという流れであった。

　そして、今回の5連敗を振り返ってみると、やはり中村剛也の逆転サヨナラ弾で劇的勝利したその翌日からはじまる。

　9月13日、3位争いのライバル・ロッテとの直接対決で、先制しながらも終盤に自らのミスから崩れて4点を失い、逆転負け。その翌日はやはりエース・岸を立てながらも打線が則本昂大を前に沈黙し、援護できず零敗を喫する。

　さらに次戦はこれまた天敵・武田翔太に苦戦し、今シーズン西武戦4勝目を献上。場所を北海道に移して今度は大谷翔平を前に完投負けを食らい、そして今日の日本ハム戦、5－0からのまさかの逆転負けで5連敗となった。

　少々無理やりな部分もあるが、始まり方や途中の流れなどは恐怖を感じてしまうほどに似ている。ちなみに、ここから残り試合を全敗すると「13連敗」になるという点も、恐怖を増幅させるデータと言えよう。

　幸いにも4位・ロッテがソフトバンクに敗れ、未だ3位の座はキープしている西武。それでもゲーム差は「1」で、残りの試合数が6も違うことから、余裕はまったくない。とにかく早いうちに、どこかで“嫌な予感”を拭い去る一勝を掴んでおきたいところだ。

西武の13連敗

7月15日 vs.楽天　4－7（4点リードから逆転負け）
7月20日 vs.オリックス　0－2（エース岸も援護できず零敗）
7月21日 vs.オリックス　1－4（天敵・東明に敗戦）
7月24日 vs.日本ハム　6－13（大谷翔平）
7月25日 vs.日本ハム　4－6（リードから一転、まさかの逆転負け）
7月26日 vs.日本ハム　3－8
7月28日 vs.ロッテ　1－2
7月29日 vs.ロッテ　1－8
7月30日 vs.ロッテ　0－2
7月31日 vs.ソフトバンク　2－4
8月 1日 vs.ソフトバンク　1－2
8月 2日 vs.ソフトバンク　3－4
8月 4日 vs.楽天　4－5

直近の5連敗とこの先の日程

9月13日 vs.ロッテ　4－5（終盤一気の逆転負け）
9月14日 vs.楽天　0－3（エース岸も援護できず零敗）
9月17日 vs.ソフトバンク　3－5（天敵・武田に敗戦）
9月19日 vs.日本ハム　1－6（大谷翔平）
9月20日 vs.日本ハム　7－9（リードから一転、まさかの逆転負け）
～
9月21日 vs.オリックス
9月22日 vs.オリックス
9月23日 vs.オリックス
9月26日 vs.楽天
9月27日 vs.楽天
9月28日 vs.ロッテ
9月30日 vs.オリックス
10月1日 vs.オリックス