意気込むかつての本塁打王
いよいよ2月1日から春季キャンプが始まる。今年は各チームとも外国人選手の入れ替えが多く、新戦力チェックも楽しみのひとつだ。そんな中、かつて本塁打王に輝いた助っ人たちも、巻き返しのシーズンへ意気込んでいる。
2011年から3年連続で本塁打王に輝き、13年にはプロ野球記録のシーズン60発を達成したヤクルトのバレンティン。しかし、昨季は度重なる故障に苦しみわずか1本塁打。その反省を活かし、今オフは体重管理に注力。本人は「ベストパフォーマンスをできるようにしたい」と3年契約の最終シーズンに備える。
本塁打王1度、打点王2度のブランコも、オリックス移籍元年の昨季は期待を大きく裏切った。打線の中軸として期待されるも、登録抹消を4度経験するなどコンディション管理に苦心。こちらも名誉挽回の移籍2年目へ向け、昨年より5キロ減の体重115キロで来日。「とにかく健康でいいシーズンにしたい」と巻き返しを誓った。
14年のキング、広島のエルドレッドと西武のメヒアも昨季は苦しんだ。エルドレッドは右膝半月板手術の影響で復帰が5月下旬までずれ込み、79試合の出場にとどまった。それでも貴重な得点源として広島と再契約。今季で在籍5年目となる主砲は「(オフは)ケガを防げるようにやってきた。またタイトルを取れればうれしいね」とキング返り咲きを見据える。
メヒアはシーズンを通して一軍に居続けたが、他球団から研究されたこともあり2年目は打率.235と苦しんだ。ウエイトオーバーも低迷の要因に挙げられており、昨年は7~8キロ増の状態でキャンプイン。それを踏まえ、今オフは球団から自主練習動画の提出を求められるなど体重管理を徹底。その甲斐あってか「ベストに近い」と語る体重で来日し、西武での3シーズン目に臨む。
昨季はセ・パともに、本塁打部門をはじめ、打率、打点と打撃主要3部門のタイトルを日本人が独占した。これは05年以来10シーズンぶりの現象で、裏を返せば助っ人野手が総じて不甲斐なかったとも言い換えられる。
新シーズンは新戦力だけではなく、実績ある助っ人たちの復調にも期待したいところ。さらに、近年は外国人選手を大量保有する球団も増えており、投手陣も含め、4枠を巡る争いからも目が離せない。
<2005年の打撃主要タイトル>
セ・リーグの本塁打王は43本で新井貴浩(広島)、147打点の今岡誠(阪神)は球団記録を塗り替え、202安打を放った青木宣親(ヤクルト)が打率.344で首位打者に輝いた。パ・リーグは前年三冠王の松中信彦(ソフトバンク)が、46本塁打、121打点で二冠。首位打者は打率.322の和田一浩(西武)で、最多安打(153)とともに自身初タイトルを手にした。