ニュース 2016.02.09. 11:30

15年ドラフトで8名がプロへ進むも…今年も六大学野球が面白い!

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六大学野球を盛り上げる活躍が期待される柳裕也(左)、森田駿哉(中)、沢田圭佑(右)

15年ドラフトでは六大学野球から8名が指名


 日本の大学野球の頂点である東京六大学リーグ。2015年のドラフト会議でも、1位指名2名を含む8名が、5球団から指名を受け入団を果たした。

 8という数は、2000年代に入ってからは、鳥谷敬(阪神)、青木宣親(現マリナーズ)ら9名が指名された03年に次ぐ多さだ。畔上翔(法政大)、谷田成吾(慶応大)ら指名漏れした選手も合わせると、同リーグに空いた穴は非常に大きなものであることは間違いない。しかし、そのスターの抜けた東京六大学が実は、これまでにない面白い状況になっている。

 2015年にドラフト指名された投手は明治大の上原健太(日本ハム)のみで、柳裕也(明治大)、大竹耕太郎(早稲田大)、加藤拓也(慶応大)、沢田圭佑(立教大)、森田駿哉(法政大)と、ドラフト候補のエースたちは、神宮に残る形となった。

慶応大の岩見に注目!


 ハイレベルな投手戦が予想されるなか、打者で一人注目すべき異色の選手がいる。

 岩見雅紀(慶応大)だ。187センチ110キロ、ベンチプレス150キロ、スクワット200キロ。とても日本人の大学生とは思えない規格外の体。リーグ戦においてレギュラー出場はないものの、打撃練習での圧倒的な飛距離と15年秋に放った一瞬でスタンドに消える2本のホームランは岩見のスケールの違いを説明するのには十分すぎる。

 岩見のスイングは、大柄ながらトップからインパクトまで無駄がない。中学生の頃からA・ロドリゲス(ヤンキース)に憧れ、豪快な打球を追い求め、名門比叡山高校では通算47本のホームランを積み上げた。

 しかし岩見は現役での進学をせず、1年間浪人して慶応進学を目指した。毎日予備校に通い一般受験に備えるなかで、水曜日と土曜日の半日だけは時間を捻出して、バットを振る生活を送り、見事合格。「慶応で野球をやることが一つの目標だった」。その先の目標はもちろん「プロ野球」だ。

 最近はスポーツ推薦や付属校出身の選手などがメンバーの大半を占める六大学の中で、確実に異色な存在の岩見が、昨秋チーム19本のホームラン(最多記録は平成16年法政の20本)のうち13本を放った横尾、谷田、山本が抜けた打線の穴を、記録でも「記憶」でも埋めてくれることを期待したい。数少ない「生」で見たいと思わせる選手の一人。

 昨年、高校野球では清宮幸太郎(早稲田実高)が、神宮を多いに沸かせた。スターの抜けた六大学野球では、ハイレベルな各大学の投手と、岩見に期待したい。今年は六大学から目が離せない。
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