左の先発不足が深刻…
現在、球界の課題として挙げられている問題のひとつに、深刻な“左腕不足”というものがある。
3月に行われる台湾代表との強化試合に臨む侍ジャパンのメンバーを見ても、左腕投手は大野雄大(中日)と追加招集の戸根千明(巨人)という2人だけ。
昨オフに行われた国際大会「プレミア12」でも、松井裕樹(楽天)と大野の2人だけとなっており、球界を代表するメンバーの中で左腕が極端に少ないのだ。
昨シーズン規定投球回に到達したは左腕はというと、セ・パあわせて7人。セ・パ問わず、軒並み「左の先発」不足に悩んでいることがよく分かる。
豊富に左腕を取り揃える球団も...
そんな中、“左腕王国”を形成しそうなのがDeNAだ。駒大からドラフト1位で入団したサウスポー・今永昇太は、23日の韓国・サムスンとの練習試合に登板し、4回を2安打無失点と好投した。
ラミレス監督も、ルーキーの投球を「今日のパフォーマンスはハッピーです」と評価する。今永はここまで対外試合2試合に登板して、7回を無失点に抑えており、ドラフト指名あいさつの際にラミレス監督が話したデビュー戦は巨人戦という構想が、現実味が帯びてきた。
14年ドラフト2位の石田健大は、ルーキーイヤーの昨シーズン2勝6敗と負け越したが、防御率は2.89と好成績。今年は先発ローテーションの一角として期待がかかる。19日に行われた中日との二軍練習試合に登板し、4回2安打1失点。二軍戦ではあるが、きっちりと結果を残した。
同日の二軍戦に登板した砂田毅樹も、4回4安打無失点と好投を見せた。昨シーズン途中に支配下契約を勝ち取り、シーズン後半からは先発に定着。今永、石田に負けじとアピールする。
2年前の2013年には、左の先発投手が1勝も挙げられなかったというシーズンがあったDeNAであるが、ドラフト戦略などの取り組みが奏功。“左腕王国”誕生の可能性を大いに秘めている。
また、阪神も質の高い左腕投手を揃えたチームだ。
昨シーズンは能見篤史に岩田稔と、12球団で唯一の規定投球回に到達した左腕を2人いるチームとなった。
その他にもは岩崎優や岩貞祐太といったあたりが先発候補に名前が挙がるが、中でも岩崎には期待大。2年目の昨シーズンこそ3勝10敗と大きく負け越したが、打線の援護に恵まれず敗戦投手になったのも少なくなく、試合を作る能力は持っている。
先発ローテ定着を目指す今季は、21日のヤクルトとのオープン戦に先発。川端慎吾、山田哲人、バレンティンなど主力がヤクルト打線に並んだが、4回を投げて6安打、無失点と好投。順調に調整が進んでいる。
球界全体で左の先発が不足しているだけに、各球団のサウスポーには期待したいところだ。