開幕先発ローテ入りを目指す14年ドラ1・安楽
楽天の昨季リーグ先発防御率はリーグ5位の3.71。規定投球回に到達した投手は、エースの則本昂大のみ。戸村健次、塩見貴洋、美馬学、辛島航、菊池保則などは一時的に活躍するも、故障や不調などで、シーズンを通して安定した投球を披露することができなかった。
そんな手薄な先発陣に、安楽智大、森雄大とかつての“ドラ1”コンビがローテーションに割って入ろうと猛アピールする。14年ドラフト1位で入団した安楽は1年目の昨季、チームが二軍で育成する方針を固めたこともあり、シーズンの大半を二軍で過ごした。
それでも、シーズン終盤となった10月5日のソフトバンク戦で初登板、初先発すると、6回を投げて、2安打、4奪三振、無失点に抑えプロ初勝利をマーク。開幕先発ローテーション入りを目指す今季は、16日に行われた阪神との練習試合で、プロ入り後最速となる151キロを計測するも3回3安打3失点と、課題を残す投球内容となった。
同じ失敗を繰り返さないのが安楽。24日の西武戦では「前回登板の反省を活かして、変化球でカウントが取れたし、ストレートで三振を取れた」と4回無安打、無失点と好投。梨田昌孝監督も「安定していた」と評価した。先発が手薄なことを考えれば、結果を残し続ければ開幕先発ローテ入りのチャンスは十分にある。
12年ドラ1の森は、21日の中日戦で4回1失点
エース・則本と同年のドラフトで1位入団した森雄大も好調だ。昨年は二軍で19試合に登板して、8勝5敗、95奪三振、防御率2.64の成績。防御率、奪三振はリーグ3位以内に入った。シーズン終盤には一軍で2試合に先発し、勝ち星を手にすることはできなかったが、2試合ともQS(6回3失点以内)をクリア。良い形でシーズンを終えた。
4年目を迎える今季は、7日に行った紅白戦で2回2失点と安定感を欠いたが、14日の韓国・ハンファ戦では2四球を与えながらも、3回1安打無失点。21日の中日戦では、チームのオープン戦初戦の先発マウンドを託された。
初回、先頭の藤井淳志にいきなり四球を与えるも、崩れることなく無失点で切り抜ける。2回も一死満塁のピンチを作ったが、井領雅貴、藤井を連続三振でピンチを脱出。4回に高橋周平にソロを浴びたが、4回を1失点と好投した。
現時点で開幕ローテーション入りが確実なのはエース・則本のみ。昨季先発を務めた塩見、美馬、菊池、戸村に加え、対外試合で結果を残している古川侑利、浜矢広大らとの争いとなるが、安楽、森の2人がローテーションを勝ち取ることができるか注目だ。