宮崎シリーズで光った背番号『0』
西武は28日、ソフトバンクとの練習試合に1-3で敗れ、宮崎で開催された「球春みやざきベースボールゲームズ」を4戦全敗で終えた。
同じパ・リーグの楽天(24日)、ロッテ(25日)、オリックス(27日)、ソフトバンク相手に4試合で計6得点。多くの主力選手が不在で勝敗にこだわる時期でもないが、それでも田辺監督は「3月からはレギュラー争いに入るで絞り込む時期。これからはチャンス自体が少なくなる」と若手野手のアピール不足を嘆いた。
さらに指揮官を悩ませたのが故障トラブル。正遊撃手を目指す金子侑が腰痛で帰京し、永江は腹痛による体調不良でこの日の試合を欠場。二塁でスタメン出場した水口は左手人さし指に投球を受け、田辺監督は「野手は最後にケガが多く出た。所沢に戻って考える」と表情を曇らせた。
そんな中で存在感を示したのが、新加入の木村昇吾。4月で36歳になるベテランは、3試合にスタメン出場し毎試合ヒットを記録。ソフトバンク戦の9回には侍ジャパンに選出された中継ぎ右腕の森から痛烈な中安を放ち、宮崎シリーズを10打数4安打で終えた。
守っても一塁、三塁、遊撃を無難にこなし、新天地でも売りであるユーティリティ性をアピール。チームには渡辺直人、鬼崎裕司と同タイプのベテランもいるが、まずは若手相手に格の違いを見せつけた格好だ。
広島からFA宣言したが、移籍先がなかなか決まらず“FA浪人”となっていた木村昇。それでもテスト生を経て西武入団へ漕ぎつけ、早くも自らの存在価値を証明して見せた。3月からは二軍調整中の主力が合流し、競争が本格化する。今後も背番号『0』のアピールに期待したい。