新戦力加入で今季の主戦場は7回
レッドソックスの田沢純一投手が28日(日本時間29日)、今キャンプ2度目となるバッティング・ピッチャーを務め、打者5人を相手に投げ込んだ。
田沢は直球に加え、スライダーやスプリットなど変化球もチェック。「直球のあとの変化球が少しずつ良くなっている」と手応えを語り、感覚を取り戻しなが新シーズンへの準備を進めている。
レッドソックスのブルペンには、新たに通算225セーブのクレイグ・キンブレル(前パドレス)、昨季70試合に登板し、防御率2.31のカーソン・スミス(前マリナーズ)が加わった。これに伴い、昨年までクローザーを務めていた上原浩治がセットアッパーに。田沢は7回での登板が予想され、タイミングが読みづらいタフな場面での登板が増えそうだ。
それでも「いつも通り自分の仕事をしっかりしたい」とタフネス右腕。2013、14年はともに71試合、昨季も61試合登板を果たし、日本人メジャーリーガーでは佐々木主浩、長谷川滋利、大塚晶則、岡島秀樹に次ぐ、史上5人目の3年連続60試合登板を果たした。
疲労を考慮し昨季は強制終了。それが「良かった」と言えるように
チームは13年の世界一から一転、14年は地区最下位に転落し、昨年もシーズンを通して不安定な戦いを続けた。その中で田沢は前半戦チームトップの39試合に登板し、防御率2.86をマーク。ファレル監督も「上原への橋渡しを良くやってくれている」と信頼を寄せ、オールスター候補にも名前が挙がった。
しかし後半戦から調子を落とし、残りの22試合は防御率7.08と苦戦。蓄積疲労と低迷するチーム状況を考慮し、4失点した9月12日のレイズ戦後に、首脳陣は田沢をシャットダウンする(起用しない)ことを決めた。
自身は最後まで戦い抜く意思を示したが、結局は61試合登板で2勝7敗3セーブ、防御率4.14で終戦。同じく試合中に負傷した上原も、8月7日タイガース戦を最後に残りゲームを全休した。
チームは2年連続最下位に沈んだが、早めに休養を開始できたことは2人にとって好材料だった。当初は休養に否定的だった田沢も「チームが自分のためにしてくれたことを感謝している。それが結果として『良かったと』言えるように全力を尽くす」とフル回転を誓う。
今年も60試合登板をクリアすれば、日本人初の“4年連続”となる。新たなに“7回の男”として、3年ぶりのプレーオフ進出を目指し腕を振る。