難航極めた選出に、度重なる辞退者...
いよいよ1年後に迫った第4回ワールド・ベースボール・クラシックへ向けて、侍ジャパンが始動する。
小久保ジャパン、2016年の初陣は、チャイニーズ・タイペイ代表との強化試合2連戦。初戦は3月5日(土)にナゴヤドームにて行われ、侍ジャパンは巨人の菅野智之、チャイニーズ・タイペイ代表は元DeNAの王溢正(ワン・イーゼン)が先発を務める。
プロ野球開幕が3週間後に控えているということもあり、まずは「選手を集める」というところで苦労があった小久保裕紀監督。特に投手は調整が優先となり、大谷翔平(日本ハム)や藤浪晋太郎(阪神)、則本昂大(楽天)といった代表常連の選手たちを呼ぶことができなかった。
そんな中、指揮官をさらに悩ませたのが「選出後の辞退」の多さであった。
2月の18日、DeNAの梶谷隆幸が左脇腹部の筋肉の炎症のために代表を辞退。代わって広島の丸佳浩が代表に入った。
毎年恒例となった小久保監督の“キャンプ行脚”にて、「今年はトリプルスリーを狙える」と絶賛されていた梶谷。本人も「日本代表は誇りだし、また戻りたい」と語っていただけに、悔しい離脱となってしまった。
続いて、2月21日には広島の大瀬良大地が右肘の違和感のために代表辞退を発表した。
大瀬良もロースター制となって以降では初めての代表選出。小久保監督が「球界を背負う器」とかねてから期待を寄せていた右腕であったが、右肘の故障で開幕絶望となってしまった。
そこで、追加招集となったのが、巨人の2年目左腕・戸根千明とソフトバンクの3年目右腕・森唯斗。戸根は今回の強化試合で投手コーチを務める権藤博氏の強い推薦を受けて初めての代表入り。貴重なリリーフ左腕として期待がかかる。
それでも、ファンの注目度は高い
3月に入っても、辞退者は続いた。
まずは2日、ヤクルトの川端慎吾がインフルエンザB型に感染し、直前で辞退を発表。楽天の銀次が追加招集される。
さらに、試合の前日となった4日にも、小久保監督から厚い信頼を受ける楽天・嶋基宏が、オープン戦で左手を負傷したため代表を辞退。直前の直前まで止まらない辞退者に泣いた。
長いオフを経て、野球に“飢えている”ファンも多いことから、名古屋も大阪も多くの観衆を動員することが見込まれている今回の強化試合。“開催時期”という大きな問題はあるものの、ファンの注目度は高い。
選手たちにとっても難しい時期の試合となるが、国を代表しているという自覚と誇りを持ったプレーに期待したい。
【侍ジャパンメンバー】
<投手>
11 菅野智之(巨人)
12 秋吉 亮(ヤクルト)
15 大瀬良大地(広島) → 右肘の違和感のため辞退
19 増井浩俊(日本ハム)
21 西 勇輝(オリックス)
22 大野雄大(中日)
24 山崎康晃(DeNA)
26 西野勇士(ロッテ)
29 小川泰弘(ヤクルト)
30 武田翔太(ソフトバンク)
[追加]
38 森 唯斗(ソフトバンク)
50 戸根千明(巨人)
<捕手>
27 炭谷銀仁朗(西武)
37 嶋 基宏(楽天) → 左手甲部分の打撲のため辞退
52 中村悠平(ヤクルト)
<内野手>
2 今宮健太(ソフトバンク)
3 松田宣浩(ソフトバンク)
4 菊池涼介(広島)
5 川端慎吾(ヤクルト) → インフルエンザB型に感染したため辞退
6 坂本勇人(巨人)
13 中田 翔(日本ハム)
23 山田哲人(ヤクルト)
[追加]
33 銀次(楽天)
<外野手>
1 清田育宏(ロッテ)
7 中村 晃(ソフトバンク)
8 平田良介(中日)
25 筒香嘉智(DeNA)
28 梶谷隆幸(DeNA) → 左脇腹部の筋肉の炎症のため辞退
55 秋山翔吾(西武)
[追加]
9 丸 佳宏(広島)
【侍ジャパン強化試合日程】
3月5日(土)vs チャイニーズ・タイペイ
場所:ナゴヤドーム
開始時間:19時00分
3月6日(日)vs チャイニーズ・タイペイ
場所:京セラドーム大阪
開始時間:18時30分