細谷は11年目、大田と坂田は8年目
3月25日の開幕へ向け、各チームのレギュラー争いが本格化。ここまでの実戦では、期待の日本人長距離打者のアピールが目立つ。
8日にはロッテの細谷圭が、日本ハムとのオープン戦でソロ本塁打を放ち長打力をアピール。守備の本職は内野だが、今季から外野守備にも本格参戦。伊東監督からも及第点の評価を受けている。
「群馬のゴジラ」と称された大型内野手も、今年でプロ11年目。昨季はイースタン・リーグの打点王に輝くなど二軍では結果を残しているが、なかなか一軍の壁を破れずにいる。2013年には一軍で自己最多の84試合に出場したが、昨季は再び16試合と低迷。今季は内・外野を守れるユーティリティ性を武器に、シーズンを通して一軍定着を目指す。
細谷と同じく、高校時代から大型内野手と騒がれた大田泰示(巨人)も、8日のオープン戦で長打をマーク。こちらは先発フル出場で4打数1安打だったが、初回の打席でいきなり二塁打。ひとりで得点機を作り出し、立岡宗一郎、重信慎之介ら俊足好打タイプとは違う魅力をアピールした。
こちらも毎年のように期待されながら、過去レギュラー確保には至らず。「今年こそは!」と願うファンのためにも、今後も売りである長打力をアピールし、高橋新体制の象徴となってほしいところだ。
かつて“左のおかわり君”と称された西武の大卒8年目・坂田遼は、2月中の実戦では精彩を欠いた。だが3月5日の広島戦、0-1の9回に代打で登場すると、チームの敗戦危機を救う適時二塁打をマーク。さらに、翌日の広島戦では「6番・右翼」でスタメン起用され、黒田撃ちを含む4打数2安打1打点と活躍した。
8日の阪神戦でも、藤浪晋太郎から2打席連続適時打を放つなど連日のエース撃ち。ここへ来て正右翼手争いの先頭に躍り出た。
中日では高卒5年目の高橋周平が、キャンプ中から好調をキープ。今後も結果を積み重ねることができれば、自身初の開幕スタメン、そしてファンが待ち望むレギュラー定着が見えてきそうだ。
その他にも、ロッテの井上晴哉、西武の山川穂高らが、主力不在だった2月の実戦から長打力をアピール。一方で、広島の堂林翔太や阪神の江越大賀らはチーム内競争に敗れ、現在は二軍で調整を続けている。
若き大砲の誕生はファンの悲願でもある。この中から、一気にブレークする選手は現れるだろうか。