チームキャプテンに就任した平田
中日で22年間封印されてきたキャプテン制度が今季より復活。94年、星野監督のもとで就任した仁村徹以来、名誉あるその大役を務めるのは、侍ジャパン・小久保監督に「右の外野手では12球団で一番」と唸らせる平田良介だ。
Aクラスの常連だった黄金期は過去の話。3年連続でBクラスに沈み、ベテランが相次いで去っていくチームにおいて、今求められるのは「団結」だろう。
誰か一人の圧倒的な存在感でチームが一つになるスタイルは今のドラゴンズには求められない。全員が意識的に同じ方向に進むことを望まなければ、大海原は越えられず、海の藻屑と化すだろう。
そんな危機感を感じた谷繁監督が踏み切った22年振りのキャプテン制度。「何かを変えていこうという中で、引っ張っていく存在を作りたかった。(平田には)もっと引っ張って、自分を高めてもらいたい」と谷繁監督。
大役を務める平田も「主将じゃなくても自分が引っ張っていくつもりだった。任命され、より気持ちが強くなった」と、就任発表がなされた昨季の納会で話していたことが思い出される。
オープン戦を4勝9敗3分けと負け越したドラゴンズ。まだまだ問題は山積みだが、平田を中心にチームがまとまり、時間の経過と共にさらなる成長を遂げていければ、若いチームだけに爆発の可能性は大いに秘められている。
後輩の面倒を見る姿や、チームを活気づけるポジティブな発言など、彼らしくチームを前進させようとする姿に、ドラゴンズ躍進の萌芽を予感する。
高校時代は通算70本塁打
平田といえば大阪桐蔭高時代、3年夏に全国高校野球選手権大会・準々決勝で、1試合3本塁打を放った伝説を思い出す。高校通算70本塁打を記録し、05年高校生ドラフト1位で中日に入団。当時の落合博満監督は、右方向に強い打球を飛ばすことのできる平田を高く評価していた。
昨季はチームの規定打席到達者の中ではトップの打率.283、13本塁打をマーク。今季は「打点王」を目標に掲げている。3月初旬の侍ジャパン強化試合時「今シーズンはキャリアハイを記録して、また代表に選ばれたい」と抱負を述べていた平田。
一昨年の65打点を上回り、チームの中心として、また球界を代表する打者として今季の球界を盛り上げてくれることを期待したい。