自身のメジャーデビューに豪快な一発で花を添えた前田健太
ドジャースの前田健太が現地時間6日(日本時間7日)、敵地で行われたパドレス戦で念願のメジャーデビュー。初登板で6回無失点の好投を披露し、嬉しいメジャー初勝利を挙げた。
しかし、デビュー戦で見せた見事な投球もさることながら、もっとも話題を集めたのは“打”の方である。
4回の第2打席、2ストライクと追い込まれながらも甘く入った変化球を強振すると、打球はレフトスタンドへ消えるホームラン。メジャー初安打を初本塁打でド派手に飾り、しかもこれが開幕3戦目にしてチームの今季初本塁打だったこともあって日米で大きな話題になった。
昨年7月、TBS系『S1』にVTR出演した野村克也氏が「エースになる人は共通してバッティングが良い」というコメントを残しているが、たしかに「好投手は打撃も良い」という言葉を聞いたことがある人、またはそういったイメージを持つ人というのは多いのではないか。
果たしてそれは本当なのか…。ここではエース級として活躍する投手たちのバッティングに注目してみたい。
投手たちの“打”の部分の奮闘に期待
たしかに、打撃に定評がある投手と聞いて思いつくのは堀内恒夫や斎藤雅樹、桑田真澄、川上憲伸など...。いずれも投手としても素晴らしい実績を残した投手たちが多い。
ド派手なメジャーデビューを飾った前田健太も、日本時代の通算打率は.147(436打数64安打)をマークしており、本塁打も2本放った。
昨年のセの投手に限った打撃成績を見てみると、打率トップは前田健太の.194。2位には現役最多の2ケタ勝利「11回」を記録する石川雅規(ヤクルト)が.184で続き、3位には最優秀防御率のタイトルを獲得したジョンソン(広島)が.150で入っている。(※規定投球回をクリアした投手に限る)
また、セ・リーグの投手で本塁打を記録した選手は昨年だけで4人いたが、前田に小川泰弘(ヤクルト)、館山昌平(ヤクルト)と4人中3人は過去に投手タイトルを獲った経験を持つ投手だった。
今シーズンも、6日の試合で巨人の菅野智之と広島のジョンソンがマルチ安打を記録。中日のエース・大野雄大も3月25日の阪神戦でレフト前ヒットを放ち、阪神・藤浪晋太郎も4月5日の巨人戦で安打をマークするなど、各球団のエースと呼ばれる投手たちがバットでも魅せている。
海の向こうメジャーでも、09年のサイ・ヤング賞投手であるザック・グリンキー(ダイヤモンドバックス)が通算6本塁打と打撃の良い好投手として知られ、昨シーズン18勝を記録したマディソン・バムガーナー(ジャイアンツ)も、1年で5本のアーチを描いた経験を持つなど、投球だけでなく野手顔負けの打撃でも観客を魅了している。
投手だからと言って打撃をおろそかにすることは、自身を苦しめることにも繋がる。投手たちの好投に期待したいのはもちろんだが、“9人目の野手”としての打撃にも期待したい。